新型コロナウイルスによりお客様側の外出の自粛、営業の休止や営業時間の短縮など様々なビジネスに多大なる影響を与えています。
ビジネスの規模や、 これまでの売り上げによっては経営の存続自体危うい状況に立たされることも少なくありません。
今回は現在活用できる新型コロナ関連の融資制度、助成金制度、補助金制度、について紹介していきます。
なお、対象となるサービスの範囲や条件は現在こまめに変更されている場合がありますので、最新の情報は各リンク先の公式ホームページよりご確認ください。
目次
新型コロナ関連に活用できる日本政策金融公庫による融資制度
まずは日本政策金融公庫による融資制度から紹介していきます。2020年4月現在では日本政策金融公庫より以下のような新型コロナ関連に関する融資制度が出ています。
生活衛生改善貸付
生活衛生改善貸付とは生活衛生同業組合などから経営指導を受けている生活衛生関係の中小規模事業者向け融資制度です。
経営改善に関する資金を無担保、保証人なしで利用できる制度で、最近1ヶ月の売上が前年、または前々年同月比5%以上減少しているのが条件です。
生活衛生改善貸付の使用用途として、運転資金と、設備資金に充てることができます。
運転資金では貸付期間が7年以内でそのうち措置期間が3年以内、設備資金では貸付期間が10年以内でそのうちの措置期間が4年以内と定められています 。
融資限度額は別枠で1000万円を限度とし、金利は3年間は営業改善利益率の-0.9%となっています。
衛生環境激変特別貸付
衛生環境激変特別貸付は、今回のような新型コロナウイルスの影響により資金繰りに影響を受けている飲食業や旅館業を対象とした日本政策金融公庫による融資制度です。
生活環境技研特別貸付の条件として最近1ヶ月の売上が前年または前々年同月比10%以上減少しており今後も減少する見込みであるかつ、 中長期的には売上が回復する見込みであることが挙げられます。
衛生環境激変特別貸付の使用用途は主に運転資金を対象とされており、 貸付期間は7年以内、そのうち措置期間が3年以内となっています。
貸付限度額は1000万円で、 金利は基準金利、 復興計画認定を受けた生活衛生同業組合であれば基準金利-0.9%が適用されます。
生活衛生新型コロナウイルス感染症特別貸付
生活衛生新型コロナウイルス感染症特別貸付とは今回の新型コロナウイルスの影響により経営が悪化している生活衛生事業者に向けて日本政策金融公庫による特別融資制度です。
生活衛生事業者とはサービス業、飲食業、販売業など事業者のことを指します。
- サービス業:美容院、理容院、クリーニング店、映画館、銭湯のような公衆浴場、ホテルや旅館など
- 販売業:食肉販売店 、食鶏肉販売店、 氷雪販売店
ここ1ヶ月の売上が前年または前々年同月比5%以上減少している事業者が対象となります。
生活衛生新型コロナウイルス感染症特別貸付の使用用途は主に運転資金、設備資金を対象としており、 貸付期間は運転資金で15年以内、そのうち措置期間が5年以内、設備資金で20年以内です。
貸付限度額は6000万円で金利は3年間は基準金利の-0.9%、 4年目以降は基準金利となっています。
生活衛生新型コロナウイルス感染症特別貸付は今回取り上げている融資制度の中では貸付期間が長く、貸付限度額が高いのが特徴です。
特別利子補給制度
さらに生活衛生新型コロナウイルス感染症特別貸付を利用する事業者のうち、特に影響を受けている物に対し特別利子補給制度という利子を補給する制度の適用も可能です。
個人事業主であれば用件無し、小規模事業者であれば売上が15%以上減少、中規模事業者であれば売上が20%以上減少する方が対象となり、 生活衛生新型コロナウイルス感染症特別貸付を借入後3年間、3,000万円まで利子の補給をしてもらえる制度となります。
これまでに挙げた日本政策金融公庫による融資制度に関しましては公式ホームページより詳細が記載されていますのでご確認ください。
日本政策金融公庫生活衛生新型コロナウイルス感染症特別貸付について
新型コロナ関連に活用できる経済産業省による融資制度
2020年4月現在、経済産業省より新型コロナ関連に活用できる融資制度、助成金制度には以下のようなものがあります。
セーフティネット保証4号
セーフティネット保証4号とは、 経営に支障が出ている中小企業者を対象として、 最大約2.8億円の一般保証と別枠で保証される資金繰り制度のひとつです。
全都道府県が対象で、 前年同月比の売上が20%以上減少している場合、借入債務の100%が保証されます。
セーフティネット保証5号
セーフティネット保証5号とは、前年同月比の売上が5%以上減少している場合、 借入債務の80%が保証されます。
またこのセーフティネット保証は飲食業も含まれており、 特に開業から3か月以上1年11ヶ月未満の中小企業に対しては認定基準が緩和されているのも特徴のひとつです。
危機関連保証
危機関連保証は一般保証枠、セーフティネット保証枠とは別枠で最大約2.8億円保証を行う制度です。
最近1ヶ月の売上が15%以上減少しているかつ、 その後2ヶ月を含む、3ヶ月間の売上が前年同時期と比較して15%以上減少すると見込まれることが危機関連保証の対象者としての条件です。
セーフティネット4号、5号、危機関連保証制度に関しては経済産業省のホームページにて最新の情報並びに申請に必要な詳細が記載されていますのでご確認ください。
これまで融資制度ご紹介していきましたが、ここからは補助金、助成金に関する情報をシェアしていこうと思います。
なお現在政府により新たな補助金、助成金制度が検討されていますが、現時点で正確に決まっている情報のみ記載します。
新たに決まり次第この記事に追加していこうと思いますので、ご了承ください。
小規模事業者持続化補助
日本商工会議所からの補助金制度です。商工会議所管轄内で営業をする小規模事業者を対象とした補助金制度で、販路開拓を行う小規模事業者の一部の経費を日本商工会議所が負担するという内容です。
持続的な経営に向けた経営計画に基づく、小規模事業者等の地道な販路開拓等の取組や、あわせて行う業務効率化の取組を支援する目的としています。
対象とする事業者は以下の通りです。
- 新型コロナウイルス感染症により経営上の影響を受けながらも販路開拓等に取り組む事業者
- 賃上げに取り組む事業者
- 計画的に事業承継に取り組む事業者
- 経営力の向上を図っている事業者
- 地域の特性・強みを生かして高い付加価値を創出し、地域経済への影響力が大きく、その担い手となりうる事業に取り組むことが期待される企業として経済産業省が選定した事業者等
- 過疎地域という極めて厳しい経営環境の中で販路開拓等に取り組む事業者
50万円を限度額とし、その3分の2を日本商工会議所は負担します。
応募は年数回に分けられており、直近の締め切りは2020年6月30日となっています。
雇用助成補助金
雇用助成補助金とは、経営上の理由でやむを得ず事業を休業する際、雇用維持に必要な休業手当に対して一部を助成する制度です。
この雇用助成補助金の制度は、今回の新型コロナウイルスによる影響により休業する事業者に対して、 適用条件をさらに緩和する特例措置が検討されています。
特例措置ではここ1ヶ月の売上が、5%以上減少している事業者を対象としており、雇用保険に加入していない従業員にも適用されるようになります。
従業員の解雇をする、しない、中小企業、大企業によって助成率が変動します。
中小企業であれば、従業員の解雇を伴わない場合休業手当の9/10を助成、従業員の解雇を伴う場合4/5を助成するとします。
大企業であれば、従業員の解雇を伴わない場合休業手当の3/4を助成、従業員の解雇を伴う場合は2/3を助成するとします。
持続化給付金
持続化給付金とは資本金10億円以上の大企業を除き、中堅、中小企業、小規模事業者、フリーランスを含む個人事業者を対象とする予定です。また、医療法人、農業法人、NPO法人、社会福祉法人など、新型コロナウイルス感染症の影響により、売上が前年同月比で50%以上減少している事業者を対象とした給付金です。
給付申請は令和2年の補正予算が成立した4月30日の翌日である5月1日より、オンライン申請、郵送にて対応します。
持続化給付金の申請に必要な書類
持続化給付金の申請に必要な書類は前年の確定申告の種類(青色申告、白色申告)によって若干異なります。
青色申告の方の持続化給付金の申請に必要な書類
- 前年である2019年の売上を証明できるもの:青色申告:確定申告書第一表の控え1枚、所得税青色申告決算書の控え2枚)白色申告:確定申告書第一表の控え1枚
- 今年2020年の売上を証明できる書類:売上台帳と帳面
- 本人確認書類:運転免許証やマイナンバーカード
- 金融機関の口座番号
白色色申告の方の持続化給付金の申請に必要な書類
- 前年である2019年の売上を証明できるもの:白色申告:確定申告書第一表の控え1枚
- 今年2020年の売上を証明できる書類:売上台帳と帳面
- 本人確認書類:運転免許証やマイナンバーカード
- 金融機関の口座番号
持続化給付金のオンライン申請方法
持続化給付金のオンラインによる申請方法は以下の手順です。
- 持続化給付金で検索して公式ホームページにアクセス(令和2年度補正予算案成立の翌日の5月1日に開設)
- 更新ボタンを押してメールアドレスを仮登録
- 仮登録したメールアドレスアドレスに届くメールから本登録
- ID・パスワードを入力して本登録(基本情報・売上額・口座情報など)
- 必要書類を添付(2019年確定申告の控え・売上減少となった対象月の売上台帳の写し・個人事業主の場合は身分証明書の写し)
- 申請後、通常2週間程度で給付通知書を発送・登録した銀行口座に入金
持続化給付金の公式ページは5月1日に開設ましたので、「持続化給付金事務局ホームページ」よりご確認ください。
利用できる助成金や補助金はしっかり利用
特に助成金や補助金などに関しては、積極的に利用して、現状を打破するために活用していきましょう。
融資に関しては、必要な方は一時的な措置として行うと共に、当面の売上をどう作っていくかを考えることも必要です。
緊急事態宣言など、新型コロナウイルスの拡大防止、終息に向けて政府が動いていますが、海外の状況を見てもわかるように、終息はまだ先であることが誰にでも予想できるような状況です。
このような中、現在影響している事業に対して、今後のマーケティング、セールすべてのビジネスプランを再度練り直す必要があります。