数多くの競合他社がひしめく現代では、より多くの見込み客(リード)を獲得するために、アンノウンマーケティングは欠かせないものとなっています。
今回はアンノウンマーケティングとはどういうもので、どんな役割りを果たすのか、施策例を交えながら解説します。
目次
アンノウンマーケティングとは?
アンノウンマーケティング(unknown marketing)とは、まだ個人情報を獲得できていない見込み客(リード)に対して行うマーケティング施策を意味します。
アンノウンマーケティングの名前を知らなくても、これまで様々なマーケティング活動を行ったあなたもすでに体験しているのではないでしょうか。
例えば、オウンドメディア(自社コーポレートサイトやブログなど)を閲覧したユーザーは、何かしらの理由で、あなたのWebサイトを訪れています。
しかし、どこの誰かまでは不明な状態です。
このユーザーをアンノウンユーザー(unknown user)と呼び、このアンノウンユーザーに対して行うマーケティング施策がアンノウンマーケティングとなります。
アンノウンマーケティングの目的は、アンノウンユーザーから個人情報を獲得し、自社との距離を一歩内側に招き入れることです。
アンノウンマーケティングとリードジェネレーション
マーケティングでは、リード(見込み客)を獲得する活動としてリードジェネレーションと呼ばれるものがあります。
アンノウンマーケティングは、このリードジェネレーションの一部です。
アンノウンマーケティングでアンノウンユーザーから何かしらの施策で個人情報を獲得する前までを位置しています。
その後アンノウンユーザーから個人情報を獲得して自社のリード(見込み客)として招き入れる、この一連の活動がリードジェネレーションとなります。
アンノウンマーケティングは、リードジェネレーションをより効率的に、最大限に活かすために行う役割を持っています。
積極的に取り入れるべきアンノウンマーケティング施策例
アンノウンマーケティングの施策、つまり「アンノウンユーザーに対して個人情報を入力する機会を作る」仕組みを整えることです。
アンノウンマーケティングの施策例として以下があります。
- コンテンツ制作
- リターゲティング広告
- Chat Bot
- ポップアップバナー など
コンテンツ制作
まだアンノウンな状態であるユーザーに対して、興味や関心のあるコンテンツを制作し、接点を用意します。
資料請求やホワイトペーパーのダウンロードなどがCTAとなり、ユーザーに行って欲しいコンバージョン行動となります。
また、すべてのコンテンツにただCTAを配置するという考えでは、あなたが描くような結果とは程遠いものとなるでしょう。
興味や関心のあるコンテンツ同士をリンクでつなぎ、着地点であるコンテンツでアクションを促すというような設計を行うとより効果的です。
リリースしたコンテンツは、Googleアナリティクス4での分析や、ヒートマップによるユーザー行動の観察することが重要です。
リターゲティング広告
GoogleやYahoo!広告などで利用できるリターゲティング広告もアンノウンマーケティングとの相性が良い施策です。
リターゲティング広告によりアンノウンユーザーの再訪する機会を用意します。
Chat Bot(チャットボット)
Chat Bot(チャットボット)はあなたのメディアに訪れたユーザーに対して、情報を収集できる施策の一つです。
疑問や不安に思うことは何か、興味や関心のあることは何かなどの情報収集して蓄積し、今後のマーケティングに活かします。
あなたのメディアに訪れたユーザーの中には以下の状況の方もいることでしょう。
ちょっとしたことだが、すぐ答えが知りたい
〇〇で悩んでいるが、この企業で対応できるのだろうか
など、質問に対しての答えがすぐにわかる状態にしておくことで、企業に対する信頼度を高めます。
事前にFAQを用意しておくことも大切ですが、FAQのみの場合、その場で自己完結してしいますので、Chat Botで『やり取りをする体験』を与えるとより効果的です。
ポップアップバナー
あなたのメディアに訪れたユーザーに対して、ポップアップバナーを表示してアクションを促すのもアンノウンマーケティング施策として有効的です。
ポップアップバナーの配置やポップアップされるタイミング、表示時間、バナーデザインは一定期間テストを行いって最適化していきましょう。
ただし、過度なポップアップバナーの表示はユーザーにメディアへの不快感を与える場合もありますのでご注意ください。
アンノウンマーケティングの流れ
アンノウンマーケティングの手順は以下の流れです。
- 閲覧データの蓄積をする
- 蓄積されたデータを元に検証する
- いくつかのグループにセグメントする
- グループごとにコミュニケーションを図る
閲覧データの蓄積
あなたのメディアに訪れたユーザーのデータを蓄積します。
- ユーザーはどこから訪れたのか
- どのようなキーワードで見つけたのか
- どのコンテンツの滞在時間が長いのか
- コンテンツ到着後どのような行動をとっているのか
など、データを蓄積してユーザーの行動を理解します。
閲覧データの蓄積にはGoogleアナリティクス4やGoogleサーチコンソール、ヒートマップツールの導入をおすすめします。
その他、複数のメディアにまたがって行動するような仕組みであれば、メディアごとのデータ蓄積、全体でのデータ蓄積も必要です。
蓄積データを元に検証
メディア内のユーザーの行動データを蓄積して、それらを元に検証していきます。
- 閲覧ページ
- 閲覧、滞在時間
- ページ間の移動
これらに注目し、ユーザーが興味や関心を持っているコンテンツは何かを分析します。
あくまでも分析によって得たものですので、「仮説」としての情報です。
グループにセグメントする(グルーピング)
仮説を元に、共通する行動を取るユーザーをいくつかのグループにセグメントします。
メディアに訪れたユーザーが持つ興味や関心、悩みなどはそれぞれです。
個性あるユーザーであっても、他のユーザーとの共通点があります。
共通点の多い内容を元にグループに分け、グループに応じて対応することが重要です。
グループごとにコミュニケーションを図る
セグメントされたグループに対して、それぞれにコミュニケーションを図ります。
〇〇についてもっと詳しく知る
〇〇に関連するコンテンツを見る
など、閲覧データを元にセグメントしたグループに対して、それぞれに続いて行動してもらう導線を用意するイメージというとわかりやすいでしょうか。
グループごとのコミュニケーション例
例えば、あなたのあるサービスページに長期滞在しているグループがいるとします。
そのグループに対してコンテンツ同士を内部リンクで繋いだり、コンテンツを読み終える位置でポップアップバナーを表示して誘導するなどがコミュニケーション例として挙げられます。
- サービスの導入事例
- サービス導入実績
- サービス導入後のレビュー など
アンノウンマーケティングで効果的なリード獲得とナーチャリングへ
あなたのメディアに訪れて、実際に何かアクションを起こすのはほんの数パーセントです。
その他のユーザーの大半に対して何もしなければ、どこの誰かも把握できずに外部へと逃してしまいます。
中には競合他社に奪われたり、代替方法によりユーザーの悩みを解消されることもあるでしょう。
とは言え、何らかきっかけであなたのメディアへ訪れたユーザーです。
これまで全く接点のなかった状態の0から1へと変わった瞬間があるのも事実です。
この貴重な1となったユーザーをあなたのアンノウンマーケティングによって、1から2へとまた一歩あなたとの距離を縮め、さらにリードナーチャリングを経て、購入へと繋げる。
マーケティングにはこの可能性を大いに秘めています。
あなたのマーケティング活動がより効果的になるよう、アンノウンマーケティングを積極的に行いましょう。