2020年上半期の新型コロナウイルスがきっかけとなり、これまでのセールスやマーケティングの在り方をあらためて考えさせられることになりました。
これ前で当たり前に行っていたセールスでサービスや商品の提供が困難となり、強制的にオンラインに移行した方も少なくはないでしょう。
しかし、新たな販売方法を発見できるきっかけとなった企業にとっては追い風となったことには変わりありません。
一方、緊急事態宣言が解除され少しずつ元の生活に戻りつつある現在において、またこれまでと変わらない販売方法に戻ってしまうような在り方になってしまってはかなり危険だと感じます。
今回は、顧客や見込み客と直接会わなくとも様々なアプローチが可能なオンライン会議システムZoomについて解説します。
目次
Zoomとは
Zoom(ズーム)は2011年にアメリカで中国出身のエリック・ヤンが創業したクラウドコンピューティングWEB会議サービスです。
1対1や50人の参加者までであれば基本無料で使うことができます。
このZoomにはビデオウェビナー、ミーティングの2種類があり、提供する内容に応じて使い分けていきます。
Zoomのビデオウェビナーとは
そもそもウェビナーとは「WEBとセミナーの造語」でオンラインセミナーを指します。
Zoomウェビナーの特徴・機能
Zoomウェビナーには以下の様な特徴や機能を持っています。
- 100人から10000人まで視聴可能
- 参加者のアナリティクス(分析)データを取得することができる
- オンデマンド視聴可能
- YouTubeやFacebookでライブ配信が可能
- ウェビナーの収益化オプション機能
- 視聴者とパネリストの切り替え機能
- チャット、手を上げるといったアクション機能
などがあります。
このZoomウェビナーは有料ライセンスのアドオンとして申し込むことができ、無料プランでは申し込むことができませんので、プロプラン、ビジネスプラン、企業プランのいずれかを利用しておくことが条件です。
無料プランでウェビナーの開催は可能ではありますが、先述したZoomウェビナーの機能を使うことができません。
Zoomウェビナーとミーティングの違い
Zoomに詳しくない方には少しややこしく感じてしまいますが、これを機にZoomウェビナーとミーティングの違いを利化しておきましょう。
Zoomウェビナーは先述したような機能を利用することができるため、会社説明会や社員研修、一般的な商品説明セミナー、議会などの中継に適しています。
Zoomウェビナーは基本的にホスト(主催者)が中心となって進行し、視聴者は一方的に視聴する形式です。
この視聴者の中からパネリストとして、権限を昇格させた方のみ、Zoomミーティングのようにビデオ通話でのやりとりを行うことができます。
「ホストと視聴者」または「ホスト、パネリストと視聴者」の関係性です。
また、視聴者はチャットや挙手機能を利用してウェビナーに参加することができますので、ただ一方的に視聴するだけでなく、アクティブなウェビナーの展開が可能です。
Zoomウェビナーとミーティングの機能の違い
更にZoomウェビナーとミーティングの機能の違いを表にまとめましたのでご参考ください。
ウェビナー | ミーティング | |
カメラ・マイクの操作 | ホストとパネリストのみ | 参加者全員 |
参加者の把握 | ホスト | 参加者全員 |
人数 | 100人~10000人 | プロ:100人 ビジネス:300人 企業:500人 |
画面共有 | 〇 | |
チャット | 〇 | |
質疑応答 | 〇 | × |
録画 | 〇 | |
ライブ配信 | YouTube Workplace by Facebook |
Workplace by Facebook |
ご覧の様に、Zoomウェビナーはホスト側中心、ミーティングは参加者全員でオンライン会議に参加する形式、圧倒的な参加人数の差、ライブ配信できるツールの差が見られます。
企業規模や使用用途に応じて、ZoomウェビナーとZoomミーティングのどちらにするかを決めましょう。
Zoomウェビナーやミーティングの活用
WEB上でのセミナーやビデオ会議は幅広く活用できるのが魅力です。
また、これまで対面でのセールスやインターネット上でもホームページやブログ、ランディングページなどでサービスや商品を購入してもらうためのリードナーチャリング(見込み客の育成)やセールスを行うことが当たり前だった状態から、インターネット回線とディバイスさえあれば場所問わず開催できるため、対象とするターゲットのエリアを広く設定できます。
更に、動画やライブ配信でリードナーチャリングやセールスだけに止まらず、ブランディングやラポール形成(信頼性の構築)と活用の幅を広げることが可能になります。
Zoomを利用したマーケティングからセールスまでのプロセス例
Zoomウェビナー、ミーティングのいずれかを使用して行うマーケティングからセールスまでのプロセス例をいくつか挙げてみましょう。
ホームページなどオウンドメディアからのプロセス例
まずはホームページを利用してのマーケティング、セールスまでのプロセスとして、以下のような流れを作ることができます。
- ホームページなどのオウンドメディアからリストを獲得(LINE公式アカウントの登録やメールアドレス登録)
- リストに対してLINE公式アカウントやメルマガにてコンテンツの配信
- リードナーチャリングを行う
- ウェビナー参加へ誘導
- Zoomウェビナーやミーティングでオンラインコンテンツ配信
- オンラインコンテンツ配信後サービスや商品のセールス
ランディングページからのプロセス例
ホームページやブログ、オウンドメディアにてSEOが弱い、サイト自体がまだ弱い場合は、Google広告やFacebook広告、Instagram広告などのWEB広告を用いて短期間にZoomウェビナーやミーティングへの参加者を募ることも可能です。
- WEB広告からランディングページへ着地
- ランディングページにてサービスや商品の価値を高めるコンテンツ(動画や画像、テキスト)を提供
- 直接セールス
- もしくはZoomウェビナー、ミーティングの参加へ誘導
- Zoomウェビナー、ミーティングにてオンラインコンテンツの配信
- オンラインコンテンツ配信後サービスや商品のセールス
SNSからのプロセス例
- 各SNSにてコンテンツの投稿
- アクションボタンやプロフィール、各コンテンツよりオプトインページ(リスト獲得ページ)へ誘導
- 獲得したリストに対してリードナーチャリングを行う
- Zoomウェビナーやミーティングの参加を募る
- Zoomウェビナーやミーティングでオンラインコンテンツ配信
- オンラインコンテンツ配信後サービスや商品のセールス
など、各メディアからリスト獲得後、リストマーケティングを経てZoomウェビナーやミーティングへの参加へ誘導します。
見込み客の育成であるリードナーチャリングに関しては、別記事にて解説していますので、リードナーチャリングがご不明な方はご参考ください。
>>見込み客を集客し顧客へ!必ず行うべきリードナーチャリングの計画の立て方
>>小規模会社でも取り入れるべきリードナーチャリングとニーズ例ウォンツ例
Zoomで提供する動画の内容
各メディアから、リストを獲得してリードナーチャリング、Zoomウェビナーやミーティングへの参加の誘導をおこなっう流れは把握したものの、Zoomを使ってどんな内容を配信すべきか。
配信する内容に関しては、これといった決まりはありませんが、事前に目的と目標を明確にすることが重要です。
- 見込み客のニーズを高めるためのウェビナー
- 見込み客のウォンツを高めるためのウェビナー
- あなたの会社やサービス、ブランドの価値を高める(ブランディング)ためのウェビナー
- サービスを提供するあなた自身とのラポール形成 など
また、上記例のように必ずしもセールスに繋げなくとも、後にセールスに繋がるような間接的なウェビナー内容でも構いません。
その他、これまで実店舗で提供していたサービスをオンラインで提供することもこのZoomでは可能となります。
近年の事例で言えば、新型コロナウイルスの感染拡大防止につき英会話や塾、授業などの教育のオンライン化の急速拡大をはじめ、ヨガやフィットネスのオンラインサービス化がわかりやすいのではないでしょうか。
これから必ず取り入れるべきビデオ・動画コンテンツ
インターネットが普及した時代では、ユーザー側はWEB検索による情報収集、企業側はサービス提供やそれらに関するコンテンツの作成と配信がトレンドとなりました。
現在ではこのトレンドに加えて更に先であるZoomなどのオンライン会議システムでのコンテンツ配信やYouTubeによる動画コンテンツの提供がトレンドとなっており、これが当たり前のように定着しつつあります。
全て直接対面でコミュニケーションを図っていたことを可能な限り全てオンライン上で提供する。
- サービス提供エリアを拡大できる
- これまでとは異なるターゲットを狙うことができる
- 場所、時間問わずコニュニケーションを図ることができる
というような様々なメリットを手に入れることが可能になります。
まずは、マーケティングプロセス全体のプランイング後、各メディアからマーケティング、セールスまでのプロセス設計を行い、Zoomウェビナーやミーティングの導入を目指しましょう。
Zoomの基本的な使い方に関しましては、下記記事にて解説していますので合わせてご覧ください。