集客、マーケティングに興味を持ち、様々な情報をインプットしていると潜在顧客や顕在顧客というキーワードにたどり着くと思います。
ひとくくりに見込み客と言えど、見込み客の中にはこの潜在顧客と顕在顧客という2種類の顧客が存在します。
今回は潜在顧客と顕在顧客の意味と違いを理解して、現在行っているマーケティング活動に役立てていきましょう。
目次
潜在顧客とは
潜在顧客とは、自社サービスや製品の存在をまだ知らない顧客を指します。
潜在顧客自身の課題や悩みはあるものの、ニーズが潜在的(外には出ず内に潜んでいる)であるためにアプローチが適切でなければ購買には繋がりにくいのが大きな特徴です。
潜在顧客の中には、自身の課題や悩みにすら気づいていない顧客も含まれています。
課題や悩みの有無が混在しているため、潜在顧客の購買心理には興味を持っているものもいれば、関心を持っているものもいます。
あなたがターゲットとして狙う見込み客の中でも数が多く、この潜在顧客をいかに掘り起こし(見つけ出し)、顕在顧客、顧客、優良顧客とランクアップして行くことが私たちが行うマーケティングでの課題となります。
潜在顧客の例
例えば、リンパケアサロンAを営んでいるとします。
コリやむくみ、眼精疲労、倦怠感など、体内の滞りを無くして、体本来の機能を働かせて日々の生活をしやすい体を目指すためのリンパケアをサービスとして提供しています。
リンパケアサロンのケースでの潜在顧客には以下が挙げられます。
- 肩や首がこりやすくて困っている方
- 長時間のデスクワークにより眼精疲労で困っている方
- いつも何だか疲れが取れないと感じている方
これらの悩みを持っている方はもちろん、「何か身体の調子がずっとイマイチ」だともっとざっくりと感じている方、何かしらの原因があるにも関わらず、それに気づいていない方も含まれてます。
さらに、この潜在顧客の中には、自分が抱えている悩みに対して、「どうにかして解決したいという願望を持っている方」もいれば、「この悩みを解決したいとまで考えていない方」もいます。
顕在顧客とは
顕在顧客とは、自身の課題や悩みを把握しており、その解決方法(中にはサービスや製品を利用して解決する)を知っている顧客を指します。
ニーズが顕在しているため、自社の製品やサービスの存在を知っている可能性があったとしても、必ずしもそれが欲しいとまで思っているとは限りません。
顕在顧客の例
今度は先ほどと同じリンパケアサロンのケースでの顕在顧客には以下が挙げられます。
- 肩や首こりに悩まされており、その悩みの解消手段の1つとしてリンパケアが良いと知っている
- また、既にリンパケアサロンAの存在も知っているが、他のサロンも近くにあるため、どちらに行ってみようかと情報収集している
- 眼精疲労が原因で、余計に肩や首がこり、更にはそこから頭痛へと繋がっている状態だと知るが、この場合どこに行くべきかはっきりわかっていない
この様に、自身の課題や悩みを把握しているが、必ずしもリンパケアサロンAを知っているとは限らず、複数の解消方法から「これだ!」と決めていない場合もあります。
その他、似たサービスや別の解消方法で迷っている方も含みます。
見込み客とは
潜在顧客、顕在顧客の意味が理解できたら、集客、マーケティングでよく使う見込み客についてもあらためて理解しておきましょう。
見込客とは、先述した潜在顧客、顕在顧客を含む、将来自社のサービスや製品を購入する可能性が「少なからずある」客を指します。
あくまでも少なからずということです。
見込み客には「認知」「興味関心」「比較検討」「購入」などざっと分けるだけでも4つの段階が存在します。
潜在顧客=「認知」・「興味関心」
顕在顧客=「比較検討」→「購入」
興味関心:あなたのサービスやジャンルに対して興味や関心を持っている段階
比較検討:何か悩みを持っているが、複数の解決策の中からどれにすべきかと比較、または購入の検討を行っている段階
購入:悩みに対しての解決策として決め、それを購入しようとしている段階
見込客はニーズが潜在、顕在しているという双方の状態を持つ顧客のため、「見込客を集客する」と言えど、同じアプローチ方法では簡単に集客できないことを理解しておくことが大切です。
潜在顧客の発掘方法(見つけ方)
潜在顧客と顕在顧客の違いからわかるように顕在顧客の方が、自社のサービスや製品を購入してくれる可能性が高いです。
しかし、その周りには自社にとっての競合他社の存在もあり、結果奪い合う構図となります。
そこでももちろん戦うべきですが、考え方は2つ。
- 潜在顧客を発掘してアプローチし、顕在顧客、顧客、優良客へと自社で顧客を育成する
- すでにいる顕在顧客に自社のサービスや製品を購入してもらい、そこから顧客、優良客へと育成する
決して顕在顧客だけ集客すれば良いわけではなく、潜在顧客、顕在顧客という両方の見込み客を集客するべきなのです。
潜在顧客、顕在顧客の両方が重要だと理解したうえで、潜在顧客の見つけ方について学んで行きましょう。
①既存顧客を分析して自社の顧客のことを知る
まずは、既存顧客を分析して自社の顧客のことについて知っていきます。
現在はあなたの顧客だとしても、彼らも最初は潜在顧客、顕在顧客だったはずです。
自社のサービスを購入している顧客はどんな人なのか顧客リストやアンケートの実施などを利用して、あなたのサービスを購入している、し続けている顧客について理解していきましょう。
STP分析のフレームワークを自社の既存客に当て込んで利用すると効率よく分析できます。
STP分析の手順につきましては、以前紹介していますので合わせてご確認ください。
②STP分析後にペルソナを設定する
既存顧客をSTP分析すると市場のセグメント、ターゲティング、ポジショニングが明確になると思います。
通常は改めて自社のマーケティング全体を精査する際や、新しいプロジェクトなどを行う前に、STP分析を行う機会が多いと思いますが、今回は、以下の目的のために使用します。
「STP分析のフレームワークに既存顧客を当てはめ、どんな顧客が自社のサービスを求めているのかを明確にする」
明確にした後、狙う潜在顧客像を深く掘り下げるためにペルソナを設定しましょう。
ペルソナの作り方や事例に関しては過去に複数記事にて解説していますので合わせてご確認ください。
③潜在顧客を発掘する
既存顧客を分析し、STP分析のようなフレームワーク、ペルソナ設定まで落とし込むことで、自社が狙いを定める「潜在顧客像」が定義できます。
先述したように、潜在顧客の中にはニーズを持っていない、またはニーズに気づいていない顧客が混在しています。
まずは、ニーズが混在した潜在顧客に対して私たち企業側がニーズに気づいてもらうための活動を行うことから始めます。
この活動を「潜在顧客の発掘」とも言います。
潜在顧客を発掘するメディアには以下が挙げられます。
WEB広告
SNS
プレスリリース
セミナー
展示会 など
これらのメディアで、潜在顧客へ興味、関心のあるコンテンツを介して、接触を試みます。
ここでの目的は潜在顧客に対して自社やそのサービスの「認知や興味・関心」です。
④潜在顧客へアプローチして顕在顧客への引き上げ
メディアを通じて潜在顧客への接触環境が整ったところで、潜在顧客から顕在顧客へとステップアップ(引き上げる)を試みます。
潜在顧客にとってはハードルが低い「アンノウンマーケティング」を実施すると良いでしょう。
リターゲティング広告
Chat Bot など
※アンノウンマーケティングとはアンノウン(誰か詳しくわからない、個人情報をまだ獲得できていない)に対して行うマーケティングであり、リードジェネレーションの一部でもあります。
⑤顕在顧客へのアプローチ
潜在顧客を発掘してアプローチし、その一部を顕在顧客へ引き上げたら、次のアプローチへ移ります。
メールマーケティングを展開する
セミナーへの誘導 など
認知してない状態から認知、それをきっかけに興味や関心を持っている顕在顧客に対して上記のようなアプローチ方法で接触機会や回数を増やします。
合わせて理解しておくべき潜在顧客へのアプローチ時の注意点
冒頭でも解説したように、潜在顧客の方が数も多く、あなたが投じたマーケティング施策によって、顕在顧客へとステップアップさせることが、自社の顧客獲得において重要となります。
潜在顧客の発掘並びにアプローチ時に注意すべき点がいくつかありますので合わせて紹介します。
①セグメントせず一律のアプローチを行う
潜在顧客は、つい少し前までは、あなたやサービス自体も全く知らない、興味がなかったユーザーも存在すれば、あなたのマーケティング施策によって、少しずつ意識が変わっているユーザーも存在しています。
それぞれ状態が異なっているにもかかわらず、同じ方法、内容でのアプローチはあなたの思い描くような結果とはほど遠いものに繋がってしまいます。
それぞれに応じたアプローチを行うことが大切です。
②反応・無反応に関わらず絶えずアプローチする
あなたのアプローチに対して反応してくれたら次のステップへ、反応しなければ異なるアプローチを試すなど、状況に応じて判断すべきです。
また、異なるアプローチを繰り返しても反応がない場合はどうするかなどボーダーラインを事前に決めておくことも必要です。
マーケティングは実行したら終わりではない
自社で現在実行しているマーケティング施策において、実行することに満足している方が多くいらっしゃいます。
何かマーケティング施策を投じるまで、様々な分析や設定、製作など多くのコストが掛かりますが、その分、実行に移して満足してしまう、これは成果でない方の特徴です。
マーケティングは実行してからが本当の始まりであり、終わりはありません。
何か施策を投じる、計測する、その後続行するか変更するか検討する、再実行の繰り返しです。
マーケティングはあなたのサービスを絶えず購入してもらうための仕組みでもあります。
やりっぱなしの状況で満足せず、常に精査していくことを強くオススメします。