まずは、前回の記事「パーソナルジムの集客方法11選」にて、現在のパーソナルジムの集客方法には何があるかを理解しておきましょう。
この記事ではそれらの集客方法を取り入れ、1人でも多く方を集客するために行うべき行動、ポイントについて解説していきます。
目次
パーソナルジムの集客で押さえるべき6つのポイント
集客方法には何があるか理解した上で、以下のポイントを押さえつつ、実際に集客方法として取り入れていきます。
- 闇雲に集客方法を試さない
- USPの作成
- ターゲット設定
- ペルソナ設定
- カスタマージャーマップの作成orコンセプトダイアグラムの作成
- 集客マップの作成
①闇雲に集客方法を試さない
まず、真っ先に注意していただきたいポイントとして、集客方法を知ったからといって「闇雲に試さない」ことです。
- ブログをこまめに更新しても一向に集客できない
- 今度はInstagramだ、YouTubeだと取り入れたものの効果が出ない
- 広告を出しているが割に合わない
- 興味を持ってもらえない
- メリットを感じてもらえない
- ベネフィットをイメージしてもらえない
など、大半の方がこのような状況に陥ってしまっているのではないでしょうか。
大きな原因は、「顧客を知らない」「マーケティングのプランニングを怠っている」状態によります。
今回はパーソナルジムへの集客を議題としていますが、集客がうまくいかない原因はどの業種であっても当てはまります。
②USPを作成
この状態から向けだすために、まず行うべき行動は「USPの作成」です。
USPとは=Unique Selling Propositionつまり、「独自のウリ」を指します。
大半の方はこのような横文字を見るだけで「面倒だ」「こういうのは大きな企業が行うものだ」と懸念しますが、実際は大小規模問わず行わなければならないことの1つです。
このUSPを作成しないことは「他社との違いがわからない」「選ばれる理由がない」「イメージだけで他社を選んでしまう」といったマイナス要素しか生み出せません。
自社のパーソナルジムの魅力は何か、他社にはできないものは何か且つユーザーが望むものは何かといった共通点を生み出して明確にすることで、「B社とは違う」「ここが良いからこのパーソナルジムに通いたい」「やっぱりここがいい」といった選ばれるパーソナルジム=自社のパーソナルジムとなるわけです。
もし自社のパーソナルジムに複数のサービスがある場合は、それぞれにUSPを制作することで、より強力な選ばれる理由が完成します。
また、全国展開ではなく一部のエリアで展開しているパーソナルジムであるのならば、現在展開しているエリアに対してどう打ち勝つUSPがあるのかを検討した方が賢明です。
複数の店舗をお持ちの方なら、各エリアでのUSPを打ち出すのも1つの手段です。
③ターゲットの設定
作成したUSPをもとに、次は自社のパーソナルジムを選んでもらえるターゲットを設定していきます。
例えばパーソナルジムのターゲットとしては以下のものが挙げられます。
- パーソナルジムとはどんなものなのだろうと考えているユーザー
- パーソナルジムの効果に対して確実性を求めているユーザー
- すでに他社のジムに通っているもしくは通っていた経験があり、ダイエットや理想の体型といった目標を達成できなかったユーザー
①パーソナルジムとはどんなものなのだろうと考えているユーザー
ジムに通う必要性は感じているものの、まだ「パーソナルジム」とは決定しておらず、スポーツジムやフィットネスジムなどを選ぶ可能性も高いユーザー。
とりあえず試してみたいと考えている可能性が高いため、格安のお試し体験や無料体験を求めている傾向にあります。
もし他社にはあり、自社にはないのであれば必然とこのユーザー層には選ばれる可能性はかなり低いでしょう。
しかし、自社のパーソナルジムの魅力をお試し体験などで伝われば、入会する可能性は高いユーザー層です。
②パーソナルジムの効果に対して確実性を求めているユーザー
パーソナルジムの効果に対して確実性を求めているユーザーは、入会金や月の利用料などでは判断せず、「このパーソナルジムに通えば確実に目標を達成することができるだろうか」と考えています。
効果を求めているからこそ、所属するトレーナーや実績、設備などを細かくチェックする傾向にあるため、集客媒体としてホームページを用いてしっかりと魅力を伝えることが必須です。
ただマンツーマン指導というだけでなく、トレーニング内容や食事指導の仕方、方針、場合により使用するサプリの種類など判断する要素は多岐にわたります。
また、口コミも判断材料として参考程度にチェックはするはずですが、あくまでも「効果」を求めるある意味目の肥えたユーザー層です。
一見手強そうにも見えますが、しっかりと差別化を図り、このユーザー層を集客し、入会することができれば売上が向上することに大きく繋げることができます。
③目標を達成できなかったユーザー
現在他社のジムに通っている、もしくは過去に通った経験があり、ダイエットや理想とする体型になれなかったユーザー層です。
ジムに通う必要性をすでに十分感じてはいるものの、他社のジムでは目標を達成できなかったため、今度はパーソナルジムにしようと検討している状態です。
ホームページやブログ、SNSなど様々なパーソナルジムの情報収集をしており、今度こそ自分が掲げる目標を達成したいと考えています。
目標を達成できなかった理由の中には「挫折」によるものも含まれている可能性は大いにあります。
自社のパーソナルジムにとって狙うユーザー層は異なるとは思いますが、複数のトレーニングプランを提示して、それぞれのユーザーの訴求に応じることで双方に対応することもできます。
④ターゲットからペルソナに落とし込んだ設定
自社が狙うターゲットを設定したら、次は更に落とし込んでペルソナの設定を行います。
ターゲット設定だけで終わる企業も多いですが、売上規模の高い企業はどこでもこのペルソナまで落とし込んでいます。
ペルソナを設定するメリット
- プロジェクトに関わるメンバーのスピーディーな意思決定が可能になる
- 幅広く曖昧な訴求(セールスコピーやデザインなどのクリエイティブ面)でなくより的確な訴求が可能になる
- より具体的に、より深くユーザーのニーズを理解できる
- 売り手側であるジムの目線でなく、買い手側の顧客目線で判断できる
ペルソナを設定することで、これらの大きなメリットがあります。以下のURLよりペルソナシートのPDFをダウンロードできますので、プリントアウトして使う、もしくはファイル変換してGoogleスプレッドシートやエクセルにて管理してください。
作成したペルソナは現段階では暫定的なものです。より顧客が増え、データが蓄積した段階で再度ペルソナを設定することで、より効果的になります。
⑤カスタマージャーニーマップの作成
カスタマージャーニーマップとは「お客様の状況や思考と行動」「それに対するあなたの施策」を書き出していく作業です。
ペルソナを設定し、更にカスタマージャーニーマップを作成することで、自社のパーソナルジムの集客方法として選ぶ媒体や、今後のマーケティングのプランニングにも非常に役立ちますので、是非作成することを推奨します。
通常は大きな紙を使って手書きで作成する会社も少なくはないですが、エクセルやGoogleスプレッドシートを利用して作成する方がプロジェクトに関わっているスタッフ間の共有やパソコン上でどこでも作成できるのでお勧めです。
今回はパーソナルジムの集客方法についての記事ですが、別記事にてランディングページの作成時に用いるペルソナ、カスタマージャーニーマップの記事もありますので、合わせてご参考ください。
⑤’コンセプトダイアグラムの作成
カスタマージャーニーマップの作成以外にはコンセプトダイアグラムの作成という手段もあります。
コンセプトダイアグラムとは、あなたが望んでいる顧客の行動変化を各ステップに分解し、行動変化を推進するために行う施策とその関係性を図解化したものを指します。
先述したカスタマージャーニーマップと似ていますが、コンセプトダイアグラムは戦略を具体化したものです。
また、コンセプトダイアグラムにはペルソナを用いらず、ユーザーのニーズよりターゲットを設定します。
カスタマージャーニーマップとコンセプトダイアグラムの違い
2つの違いを表にしました。以下カスタマージャーニーマップをCJM、コンセプトダイアグラムをCDとしています。
CJM | CD | |
ターゲット | ペルソナ設定 | ニーズより設定 |
ゴール | 企業の想定ゴール | 顧客の満足がゴール |
進め方 | ペルソナ役にインタビュー後に情報整理 | 進行役によって納得感を積み上げて整理 |
ステージ設定 | ユーザーの行動から心理を追ってまとめる | ユーザーの心理から行動を追ってまとめる |
共通点 | 作成時に顧客のことを深く知っている人が必要。 双方戦略マップのため、作成してからが本当のスタート |
カスタマージャーニーマップは企業視点、事業フロー型、コンセプトダイアグラムはユーザー視点、戦略整理型と言えます。
コンセプトダイアグラムの場合、進行役が自分の考えを前もってきちんとまとめておいたうえで、参加者の意見が引き出されながら進行するため、進行役のスキルも問われます。
どちらが良いというよりは、やりやすい方で良いかと思いますが、個人的にはカスタマージャーニーマップの方をよく好んで取り入れています。
必ずしも現在のサービスだけでなく、同じパーソナルジム内に新たなサービスが増える可能性もあるためです。
⑥集客マップの作成
パーソナルジムの集客を成功させるために押さえるべき6つめのポイントは「集客マップの作成」です。
集客マップとは集客の全体像の把握と用いる媒体の位置づけを図解にしたものを指します。
作成方法としてあなたのパーソナルジムを「知らない層」「知っている層」「ファン層」の3つに分け、それぞれの入り口と出口を図にして表します。
知らない層に対しては「認知活動」、知っている層には「連想活動」、ファン層には「関係強化活動」というような、それぞれの層に対してマーケティング活動の内容が異なります。
以下各ユーザー層に対して何を行うか例を挙げておきますので、参考にしてください。また、最後に集客マップの作成例も紹介しています。
知らない層に対しての入り口を作る
知らない層に対してはまず、知ってもらうために「あなたのパーソナルジムの認知活動」を行わなければいけません。
①例えば用いる媒体を「Instagram」としたら、投稿した内容に対して「#パーソナルジム」「#エリア+パーソナルジム」「#美尻ジム」「#美脚ジム」などあなたのパーソナルジムに関連したハッシュタグを用いてパーソナルジムに興味を持っているInstagram内の検索ユーザーに対してアプローチします。
②また、「エリア+パーソナルジム」「○○駅+パーソナルジム」などのキーワードを用いてリスティング広告を出稿。
③あなたのパーソナルジムのYouTubeアカウントにて、〇〇ジムのアピールになるプチCMの役割を果たす動画を、関連キーワードを用いて公開する
これら3つの媒体を用いて認知活動を行い、「知らない層」に対しての「知ってもらう入り口」を作ります。
知らない層に対しての出口を作る
ここでの出口というのは「知らない層が次に起こして欲しい行動」を指します。
例えば以下の行動などが出口として挙げられます。
- 公式サイトにアクセスし、パーソナルジムの魅力をもっと知ってもらう
- すでに作成しているSNSの公式アカウントをフォローしたり、いいねを押してもらう
- 商標ワード(あなたのジムの名前)で再検索してもらい、公式サイトにアクセスしてもらう
知らない層の目標達成確認のための評価指数(KPI)
入口、出口を作っただけで終わってしまっては台無しです。施策を取り入れる際には必ずKPIを設定しておくことが重要です。
この入り口、出口に対してのKPIは以下のようなものを指標として設定すると良いでしょう。
知らない層の入口のKPI
- Instagram投稿に対してのインサイト(インプレッション、リーチ、プロフィールビュー数)
- WEB広告のリンク先であるランディングページのクリック数や滞在時間
- YouTubeの動画に対してのリーチやエンゲージメント数
知らない層の出口のKPI
- Instagramのビジネスプロフィールに記載しているページURLへの(HPのトップやサービスページ)の流入数
- 出稿したWEB広告のコンバージョン
- YouTubeに記載しているリンク先URLへの流入数
- 商標ワードの検索数
などがKPIとして挙げられます。
また、入り口、出口それぞれのKPIに対してPDCAサイクルを回すことで最適化していきます。
知っている層に対しての入り口を作る
知らない層の入り口を作ったのと同じように、今度は知っている層の入り口を作ります。
知っている層には「連想強化活動」を行っていきます。
すでにあなたのパーソナルジムの存在を知っているため、思い出してもらいパーソナルジムに入会しようと検討しているタイミングでアプローチします。誘導先には成約ページが望ましいと考えます。
知っている層の入り口としては以下のようなものが挙げられます。
- 商標ワードにて指名検索を行うタイミングでのリスティング広告
- あなたのパーソナルジムの公式ブログやSNSの公式アカウントからの流入
知っている層に対しての出口を作る
続いては同じように出口を作っていきます。知っている層の出口としては、以下のようなものが挙げられます。
- パーソナルジムの店舗への来店
- 公式ホームページから入会の申し込み(電話、WEB入会申し込み)
- SNSのフォローやいいねを押す
- LINE公式アカウントへの登録やメルマガ登録
知っている層の目標達成確認のための評価指数(KPI)
あなたのパーソナルジムを知っている層に対して、入会などのサービスを購入したいタイミングでの連想してくれるかが重要です。そのため、この場合の目標達成のための評価指数(KPI)には以下が挙げられます。
知っている層の入り口のKPI
- 成約ページへ指名検索での流入増加数
- 指名検索から成約ページ流入後のサービス購入率
知っている層の出口のKPI
- SNSフォロー数
- LINE公式アカウントやメルマガの登録者数
ファン層の入り口を作る
最後にファン層の入り口を作っていきます。ファン層に対しては関係強化の活動を行っていきます。
すでにあなたのパーソナルジムに入会してもらっているファン層に対して、更に好きになってもらうために実店舗でのワークショップの開催や独自のイベント開催など、ユーザー体験の機会を与えるのも良いでしょう。
- LINE公式アカウントのリッチメッセージやメルマガにてキャンペーン告知、イベント告知の配信
- 公式ブログでのキャンペーン告知、イベント告知の記事を公開
ファン層の出口を作る
- キャンペーンやイベントへの参加
ファン層の目標達成確認のための評価指数(KPI)
ファン層があなたのパーソナルジムをより好きになってもらえるよう関係を強化することが目的です。
そのため、この場合の目標達成のための評価指数(KPI)には以下が挙げられます。
ファン層の入り口KPI
- LINE公式アカウントやメルマガからの流入数
- ブログからの流入数
ファン層の出口KPI
- キャンペーンやイベント参加人数
- 参加者の会員延長や会員限定メニュー、コースなどの申し込み数
このように知らない層、知っている層、ファン層といった3つの層に分け、各層の特徴からアプローチ方法を想定し、流入経路を構築していきます。
これを図に起こしたものが集客マップです。今回の例に挙げた内容での集客マップを作成してみましたので、参考にしてみてください。
通常であればもっと大きなスペースにて作成します。最初は手書きで集客マップを書き出し、後で以下のマップのようにデータ化すると良いでしょう。
実際はもっと細かい矢印や出入り口がありますが、デザイン上一部省略していますので、イメージ図として捉えていただけると幸いです。
パーソナルジムの集客を最大化させるためのポイントまとめ
「パーソナルジム 集客方法」「パーソナルジム 集客 事例」など検索して出てきた集客方法はたくさんあると思います。
その中からあなたのパーソナルジムのターゲットが多く存在すると予測される媒体、実際の顧客が良く利用している媒体など事前に分析し、理解した上で集客方法には何を使うかを検討し、KPIの計測、PDCAサイクルを回すことが大切です。
- 闇雲に集客方法を試さない
- USPの作成
- ターゲット設定
- ペルソナ設定
- カスタマージャーマップの作成orコンセプトダイアグラムの作成
- 集客マップの作成
この6つのポイントを押さえることで、これまで例え同じ媒体を用いて集客していたとしても、その効果は確実に向上します。
これが私たちマーケターやあなた自身、自社のマーケティング担当者が行うべき本来の集客です。