マーケティングにおける基礎的な観点として挙げられる4P「Product(製品)戦略」「Place(流通)戦略」「Price(価格)戦略」「Promotion(販売促進)戦略」 。
>>分析からマーケティング戦略選定までの流れ 集客できない売上が上がらない方必見!
今回はこの中でもプロモーション戦略にスポットを当て、成功させるための3つのポイントについて解説していきます。
プロモーション戦略を展開している際、こんなことで悩んでいませんか?
これから挙げる3つのポイントは、実際にポイントをしっかり押さえることができている企業ほど業績も伸びている重要なポイントです。
正直なところ、あまり多くの方には取り入れてほしくないので教えたくはないですが・・・
目次
①リズミカルなプロモーション戦略の徹底
1つ目のポイントは「リズム」を持ったプロモーションを展開していることです。
ここでいうリズムは、言い換えれば「顧客との波長を合わせていく」ことを指しています。
- 「毎週や毎日〇時に新しいコンテンツを投稿する」
- 「毎週〇曜日の◇時に限定商品の販売を開始する」
- 「毎年〇月〇日のみ大規模なセールを行う」
などというような、一定のリズム、タイミングを持たせて顧客との接触を図り続けることです。
最初の方は、このリズミカルな展開に対して何も反応してくれないのは当然です。
なぜなら、あなたの企業のリズムをまだ顧客が理解していないためです。
また、自社のメルマガ会員やSNSのフォローなどプッシュできる相手が少なすぎる場合も該当します。
しかし、これを繰り返し行うことで、顧客にこの一定のリズムを覚えてもらう段階までに引き上げることが出来始めるとどうでしょう。
企業側のリズムを理解した顧客は徐々に反応を示してくれるようになります。
より多くの顧客が反応することで、今後のプロモーションへの良い影響を与える他、ブランディングのようなイメージ戦略へと繋げることも可能となります。
リズムを持ったプロモーション戦略の事例
今回は抽象的な表現が多いため、わかりやすくあなたの身近でも行われているリズムを持ったプロモーション戦略の事例をいくつか挙げてみますので、ご参考ください。
楽天グループ
楽天グループ株式会社が運営している国内最大級のショッピングモール「楽天市場」。
楽天市場を利用している方であればご存じであろう「楽天スーパーセール」。
3月、6月、9月、12月と年4回行われる大型セール期間のイベントです。
また、毎月18日のご愛顧感謝デーや5、0の付く日のポイント〇倍も該当する事例と言えます。
昔はもっと少ないイベント数でしたが、これらのようなリズムを持ったプロモーション戦略は楽天市場加盟店にとって、結果的に楽天市場にとって瞬発力のある売上を獲得することができるため、次第にイベントが増え続けている状態です。
※楽天市場ほどの大規模なマーケットであれば可能ですが、小規模なマーケットであればイベントの頻発は顧客の反応を鈍らせる原因に繋がるためあまりお勧めはしません。
Amazon
言わずと知れた世界規模のショッピングモールのAmazonもリズミカルなプロモーションを展開している良い事例です。
代表的なものでいえば、年一度の「Amazonプライムデー」や「Amazonブラックフライデー」が挙げられます。
このような大型イベントの他にタイムセールもありますが、Amazonではこの2つのイベントをより注力してます。
楽天と比べて年間のイベント数を少なくし、イベント開催時に売上を集中させる戦略をとっています。
アリババグループ
世界ナンバーワンを誇る中国のEC市場のトップを走るアリババグループ。(市場規模はアメリカの約3倍、日本の約16倍)
元々中国では毎年11月11日に「光棍節(こうこんせつ)」と呼ばれる独身者を祝うイベントがあります。
アリババグループでは、この光棍節に合わせて大規模なプロモーション展開、セールを行い爆発的な売上を叩き出したこをきっかけに、以後、アリババグループのEC()だけでなく、百貨店やスーパーなどでも「独身セールの日」として全中国で認識されています。
ちなみに現在では「ダブルイレブン」と呼ばれています。
その他の事例
その他国内の身近でわかりやすい事例としてはドラッグストア。
ドラッグイレブンの毎月11から13日に開催される「ドラッグイレブンの日」や「ツルハの毎月1日、10日、20日に開催される「ツルハお客様感謝デー」などもリズミカルなプロモーション戦略の事例と言えます。
チーズケーキに特化した「ミスターチーズケーキ」の日曜、月曜のみの販売も良い事例ですね。
②PL思考よりもBS思考
2つ目のポイントはPL思考よりもBS思考で自社のマーケティングを考えてみることです。
PLつまりフロー型でマーケティングだけで考えてしまうと、売上や利益、顧客獲得コスト、広告費などを中心として捉えてしまいがちです。
もちろん、フロー型もいち売上、利益として捉えること自体は誤りではありません。
ただ、プロモーション戦略においては、BSつまり、ストック型として考えると、結果的に大きな売上、利益を得ることが可能です、しかも長期的に。
そこで注目すべきは顧客リストや会員、SNSのフォロワーです。
リードクオリフィケーション時に獲得した見込み客リストや、販売後の顧客リスト、ECや実店舗での会員登録、各種SNSでのフォロワーなどを指しています。
これらをより「自社のビジネスにおいて有益な資産として蓄積することができるか」、これが重要なポイントとなります。
ただリストを集めたり、会員登録を促したり、フォロワーが増えただけの段階では、単なる数字でしかありません。
しかし、リードナーチャリングや、購入後の顧客の再育成、単なるフォロワーから顧客へ、そしてファンへと引き上げることで、長期にわたりあなたのビジネスへ大きな利益をもたらしてくれます。
また、売上を作りたい時にプッシュすることで、意図的に大きな売上を作ることも可能となります。
③コンテキストを意識する
3つ目のポイントは「コンテキスト」。
コンテキストとは、IT分野においてはユーザーの状況や意図、環境などを意味します。
マーケティングにおいてこのコンテキストはたびたび重要視される点であり、聞きなれない方であっても、実際はすでに体験している場合もよくあります。
例えば、あなたもこんな状況に出くわしたことはないでしょうか。
自社の顧客分析を行い、浮かび上がった属性をターゲットに見据えて広告を出したが、思った以上に反応がなかった
自社への貢献度が高い既存顧客に対して、新たな商品や以前購入した商品の関連する商品を提案したが、思うような反応を得られなかった
など。「うーーん、思った以上に良くなかった」という結果に遭遇した経験です。
結果から申し上げると、例え既存客と同じ属性であっても、ニーズがあっていなければ反応しないのは残念かな当然です。
いくら同じような年齢や職業、移住地、年収、学歴であっても、休日のたびにゴルフを楽しんでいる方に、全く関係のない商品の広告を出しても見向きもしないでしょう。
いくらあなたの商品を購入したことがある既存客であっても、欲しくないタイミングやまだ必要ない状態での提案ではなかなか反応してくれないでしょう。
マーケティングにおいてのコンテキスト(コンテキストマーケティング)は、ユーザーが欲しいと思うタイミングや購入に至るまでの期間を分析し、適切なタイミングで提供すること目指すための活動です。
コンテキストのズレが生じることによって、先述したような「思ったように反応しなかった」結果を招いてしまうのです。
100%コンテキストがあったマーケティングを展開することは不可能ではありますが、少しでも適切なタイミングに近づけることは、非常に大切です。
コンテキストマーケティングにおいて、適切な戦略として挙げられるのは2つ。
Googleのリスティング広告やSEM(サーチエンジンマーケティング)がこの「コンテキスト」にフィットしやすい戦略と言えます。
>>初めてのGoogle検索広告の始め方 アカウント開設から設定方法・広告を出すまでの流れ
ニーズを持つユーザーが、検索して何かを得ようとしてる場所の先に、「自社の商品がいる状態」を作ることです。
また、直接商品やサービスでなくとも、ニーズ、ウォンツを引き上げてくれるようなコンテンツであっても良いでしょう。
3つのポイントを意識して自社のプロモーション戦略を成功に導こう
- 「リズミカルなプロモーション戦略」
- 「BS思考なマーケティング」
- 「コンテキストを意識する」
これまでに取り上げた以上の3つのポイントはそれぞれ理解できましたか?
繁盛ブログのこれまでの記事と異なりやや抽象的な表現ではありますが、数々のクライアント様のプロモーションに携わって、やはりこの3つのポイントを押さえることができている企業は強いと現場でも感じます。
これら3つのポイントをそれぞれ意識するのではなく、3つを繋げて相乗効果を生むような戦略を練った方がより高い売上、利益に繋がります。
現在プロモーション戦略がどうも上手くいかない方はぜひ意識することをお勧めします。
これから事業を立ち上げる、立ち上げたばかりの方はこの3つのポイントをしっかり押さえてプロモーション戦略を展開してみてください。
しっかりハマると、面白い結果が思った以上に早く訪れることも夢ではありませんよ。