以前と比較して売上が下がるといった不振、現状よりも更に伸ばしたい向上といった対照的な状態ではありますが、このような際に共通して行うべき競合他社の分析。
これらの分析を怠ってる=売上向上のチャンスを逃していると言っても過言ではありません。
分析で同じ業界内、同じ市場内で自社のライバルとなり、ターゲットを奪い合う競合他社について詳しく知ることで、自社が優位に立つことで売上不振時の改善や現状よりも更に売上を伸ばすための戦略を立てる材料を得ることができます。
また、競合他社を分析する目的は単に他社と比較し違いを見つけるだけでなく、その中で「競争優位性」を見つけるためのものでもあります。
手間はかかりますが、この「手間」が自社の今後の売上を左右する、影響することにも繋がりますので、決して面倒臭がらず行っていきましょう。
- 実店舗経営で近隣エリアに競合他社が存在し、売上に影響が出ていて困っている方
- ECサイトなどを展開しており、全国エリアで競合他社に何としても勝ちたい方
は特に参考にしてください。
目次
競合他社の分析は何をすべきか(項目)
分析の必要性は理解しているものの、何を分析すれば良いのかわからないという方のために実際にどんなことを分析すべきかをできる限りかみ砕いた表現を用いて解説していきます。
分析する内容については大きく以下となります。
- 自社のターゲットとする市場について
- 競合他社と比較した自社サービス(製品を含む)について
- 価格比較
- 現在、今後の市場シェアや売上(利益)
- マーケティング戦略
- 顧客の評価
大きくこれらに注目し、競合他社となる企業がどのような状態にあるかを可能な限り把握するとともに、自社と比較していきます。
5つのステップで行う競合他社分析方法
それでは競合他社について何を分析するかを理解したら、実際に分析していきます。
ここでは初心者でもわかりやすいように5つのステップに分けて分析を行います。
①競合他社をピックアップする
まずは、自社にとって競合となる他社をピックアップします。
競合他社としてピックアップする際のポイントとして「直接的競合」と「間接的競合」の2つの観点で選ぶことです。
自社と同じようなサービス(製品)を展開しているような自社にとって直接影響を及ぼす企業を「直接的競合」、自社と同じようなサービスを展開しているわけではないが、同じようなターゲットを狙っている企業、同じようなメリットを提供している企業を「間接的競合」とします。
直接的競合はいわゆるあなたがライバル視している企業ですので、わかりやすいと思いますが、間接的競合についてはピンとこない方もいらっしゃるでしょう。
自社がもしテレビ局であるとすれば、日テレやテレ朝、テレ東などが直接的競合で、ネットフリックスやAmazonプライムビデオといった動画配信サービス、現在であればYouTubeなども間接的競合として扱うことができます。
自社がコーヒーショップであるとすれば、スターバックス、シアトルズベスト、ブルーボトルが直接的競合、ファミレスや本屋などが間接的競合となります。(※いちコーヒーを提供する観点で見た場合と余暇を過ごす場所を提供する観点で見た場合)
実店舗のような特定のエリアでのみ自社のサービスを提供する場合やECサイト、オンラインサービスといったエリア問わず提供する場合などに応じてピックアップすべき競合は異なります。
また、スタートアップや零細企業、中小企業、大企業といった企業規模の観点からもピックアップすることができますが、あくまでも自社の希望に応じて「競合する企業」を選ぶようにしましょう。
②あなたの市場についてリサーチする
比較する競合他社のピックアップを行った後、次はあなたの市場についてリサーチしていきます。
ここでは「サービスや顧客から得られる情報」と「すでに公開されている情報」の2つの観点から市場ごリサーチしていきます。
サービスや顧客から得られる情報
サービスや顧客から得られる情報は「他社のサービスを実際に購入する」「顧客へのアンケートを行う(オンライン・オフライン)」などが挙げられます。
すでに公開されている情報
すでに公開されている情報は競合他社とする企業の「ホームページの分析」「現在の経済状況の把握」「技術面の把握」などが挙げられます。
③サービスについて比較する
市場のリサーチを終えたら、続いてサービスにおいて競合他社と比較していきます。
製品や無形サービスなど自社が展開している内容によって若干比較する内容は異なりますが、ここでは他社とは何が違うのかを把握し、そこから他社に打ち勝つための判断材料を得るのが目的です。
- 他社とのサービス比較内容
- 提供しているサービス内容
- 提供している価格
- メインターゲットとしている客層
- サポート内容や保証内容
これらに加え、自社のサービスが製品であれば
- デザインや機能
- 利便性
- 品質
などをあわせて比較すると良いでしょう。
④マーケティングを比較する
サービス比較を終えたら、次は競合他社がどんなマーケティングを行っているかを把握し、自社と比較していきます。
まずはチャネル、つまりオウンドメディアやペイドメディア・アーンドメディアといった各媒体においてどんな活動を展開をしているのかを把握、自社と比較していきます。
例えば・・・
- ホームページのキャッチコピーやその他のコピーとクリエィティブ
- オンライン、オフラインの広告内容やオファー(特典)とCTA内容
- 展開しているSNSとその活動内容
- 各チャネルからの見込み客の獲得方法
- 見込み客獲得後に展開しているリードナーチャリング内容(見込み客から新規顧客へと引き上げるための活動内容)
- リードナーチャリングからセールスに至るまでの導線と全体像
などが挙げられます。
ここでの分析目的は、自社にとって競合となる他社がどんなマーケティング戦略を展開しており、それに打ち勝つための自社戦略立ての参考材料にする情報を得ることです。
特に各チャネルからの見込み客の獲得方法は何か、その後のリードナーチャリングの内容は分析しておきたいものです。
可能であれば、実際に自ら見込み客リストに登録し、展開内容を探りましょう。(実名でなくても登録できるもので)
⑤競合他社の分析を元に自社の強みや弱みを理解する
これまで紹介したステップ④まで進めたら、それらの分析結果を元に自社の強みとなる点、弱みとなる点を理解していきます。
以前紹介したSWOT分析などのフレームワークを用いて比較、分析するとスムーズです。
このステップでは、自社、他社の強み、弱みを理解したうえで、自社の優先すべき戦略を見見極めることです。
また、クロスSWOT分析を用いて、自社にとっての優先順位をより明確にすることも大切ですよ。
自社の強み、弱みを理解し、同市場においてどの立ち位置で戦うかもこのタイミングで再度見直しておきましょう。
分析の有無で左右される自社マーケティング戦略
これまで何かしらマーケティングを展開しているものの、売上が伸びない、何らかの理由で売上不振、停滞している状態の方に多く見られる分析の甘さ。
ご相談頂く方の多くはこの「分析」を軽視している場合が多く、望まない結果を自ら招いている状態にあります。
正直な話、分析は手間暇かかります。しかしこの手間暇が今後のあなたの売上に左右するとなれば、するほかありません。
- 一生懸命行っているがなかなかうまくいかない
- 自社でどの様に戦略を立てていけば良いかわからない
そのような方は今回を気に一度立ち止まり、しっかり分析を行って、現在の自社マーケティング戦略の見直しを図ることをおすすめします。
また、一度分析を行って終わりではありません。定期的に行い、随時他社の動きや状態を把握しながら自社のマーケティング戦略に活かすことも大切です。
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