広告や通販などインターネットを通じて商品を販売する方法はたくさんありますが、それをより確実に売り上げるために行う2ステップマーケティング。
今回はマーケティング初心者の方向けに2ステップマーケティングとは何か、そして通常のワンステップマーケティングとの違い、メリットなどの特徴について解説していきます。
広告やECサイトでなかなかうまく売上が上がらない、商品には自信があるものの知名度が低くて売れにくいといった悩みを持つ方は是非参考にして欲しいマーケティング手法です。
目次
2ステップマーケティングとは?
2ステップマーケティングとは、言葉の通り2段階に分けてマーケティングからセールスまでを行うマーケティング手法の1つです。
2ステップマーケティングという言葉を聞いたことがなくても、普段あなたの身の周りでもよく使われています。
- お試しセットやサンプルを提供し、後に本商品を販売する
- 無料や格安の体験レッスンを提供し、後に通常のレッスンを販売する
食品や化粧品といったものから、ヨガスタジオやフィットネスジムなどをはじめ、アプリやオンライン〇〇といったものなど業界問わず様々な商品、サービスを売るために取り入れられています。
一方、ワンステップマーケティングは、先述した2ステップマーケティングと異なり、広告やECサイト、ホームページ、SNSなど様々なメディアから自社の商品を見込み客に見つけてもらい、そのまま販売するといった2段階のステップを踏まず、直接行うものを指します。
なぜ、1ステップマーケティングの様に、直接販売せず、わざわざ2ステップという回りくどいことを行うのか、ステップが1つ多い分見込み客が離脱して機会ロスにならないのか、それには2ステップマーケティングの特徴やメリットを理解したうえで判断してみましょう。
2ステップマーケティングの特徴やメリット
なぜわざわざ直接ではなく余分に1つ多くステップを踏んでから販売するのか?
2ステップで行うマーケティングの場合、以下の様なメリットがあります。
- ブランドロイヤリティやブランディング効果の向上
- 見込み客の心理的効果の向上
- CPOの抑制
- LTV(顧客生涯価値)の向上
ブランドロイヤリティやブランディング効果の向上
見込み客へ初めて接触したタイミングでセールスせず、じっくりと見込み客へと向き合う姿勢は、商品やそれを展開している企業への安心感や信頼感をもたらす場合があります。
購入を急かさない結果、ブランドロイヤリティやブランディングの効果を向上させることに繋がります。
見込み客の心理的効果の向上
2つめの2ステップマーケティングのメリットとして見込み客の心理的効果の向上が挙げられます。
1ステップマーケティングよりも2ステップマーケティングの方が、見込み客との接触回数が多いため、ブランドロイヤリティ、ブランディングと同様に信頼関係を築きやすいほか、ザイオンス効果(単純接触効果)という心理効果をもたらす可能性が増えるためです。
また、例えお試しセットやサンプルだったとしてもそれまで手にしていなかったものを手に入れることで見込み客に保有効果が得られ、心理的に商品やブランドの価値が上がる可能性に繋がります。
CPOの抑制
特に広告では必ず計測している、1件あたりの注文にかかる費用を指しているCPO(Cost Per Order)。
ビジネスではいかに販売コストを押さえ、利益を確保できるかがカギです。
ただでさえ顧客よりも新規客の方が獲得コストも販売コストも高くなります。2ステップマーケティングを行うことで、新規客から顧客へとランクアップさせる可能性を高め、確実に購入、顧客関係を継続する可能性を高めます。
あなたの顧客よりもまだ信頼関係を構築できていない新規客に販売するよりも、見込み客から新規客へ、そして顧客へとランクアップさせて購買率を上げることで、1件あたりの注文にかかる費用を抑えます。
LTV(顧客生涯価値)の向上
ビジネスを繫栄させるために必ず重視すべき指標であるLTV(顧客生涯価値)。
LTV(顧客生涯価値)とは、顧客1人あたりが一定期間にもたらす売上や利益を指しています。
売上や利益が伸びない企業ほど、このLTV(顧客生涯価値)の観点でビジネスを考えておらず、目先の売上、利益を重視している傾向にあります。
一方、売上、利益を着々と伸ばしていく企業は、初回購入からしっかりと利益を回収するのではなく、目先の売上、利益にとらわれずLTV(顧客生涯価値)の観点で見据え、まずは見込み客から新規客へ、そして顧客として自社の内側へ招き入れ、一定期間で売上、利益を回収していくビジネスモデルを取り入れています。
あなたの顧客を見ているとより実感できるでしょう。新規客よりもすでにあなたの商品やサービスに価値を感じている顧客の方が、購買率、リピート率、客単価も高いことがわかるはずです。
1ステップマーケティングよりも2ステップマーケティングにすることで、定着、リピート率、信頼関係などを高める確率を上げ、着実に購入へと繋げる、これもメリットと言えるでしょう。
>>LTV(顧客生涯価値)とは?知っておくべき計算方法と最大化させるための対策
2ステップマーケティングが向いている商品(サービス)
定着、リピート率、信頼関係などを高める確率を上げ、着実に購入へと繋げるための2ステップマーケティングは以下の様な商品(サービス)に向いています。
- 商品(サービス)の単価が高い場合
- 新規参入時やブランドの知名度が低い場合
- 商品(サービス)を提供するエリアに競合他社が多い場合
- 商品(サービス)自体の価値は高いがうまく差別化できていない場合
これらの状況に当てはまる場合は、2ステップマーケティングを試してみることをおすすめします。
2ステップマーケティングが向いていない商品(サービス)
定着、リピート率、信頼関係などを高める確率を上げ、着実に購入へと繋げるための2ステップマーケティングと言えど、以下の様な商品(サービス)にはあまり向いていないと考えられます。
商品(サービス)の単価がかなり低い場合
商品単価がかなり低い場合は、2ステップではなく1ステップマーケティングの方が適しています。
あまりに低単価な商品(サービス)の場合、2ステップにすることでかえって煩わしさを与えたりするだけでなく、販売コストやLTVのバランスが取れないといった状況を招く可能性があります。
但し、低単価であっても単品売りではなく、アップセルやクロスセル、パッケージなどの販売戦略を行っている場合や月額980円と安価なサービスでも、年間契約で1つの商品というような場合はもちろん別です。
2ステップマーケティングの仕組みが整っていない場合
いくら、2ステップマーケティングが向いている商品(サービス)であっても、仕組みが整っていない場合、話は別です。
1ステップめで何かしらあなたの商品(サービス)を試して新規客が以前よりも自社に興味を持ったとしても、その後何もマーケティングを展開しなければ、せっかく獲得した新規客もいずれ離脱します。
初回の接触から時間が経過するほど、離脱率は高くなります。更には見込み客、新規客はただでさえコストがかかるものです。
2ステップマーケティングの全体の仕組みをまず整えてからテストに挑むことが大切です。
合わせて理解しておくべき2ステップマーケティング成功のコツ
2ステップマーケティングの全体の仕組みを整えるために、別記事でも解説している様に、フロントエンド、バックエンドの考え方は理解しておきましょう。
また、見込み客の獲得方法、見込み客から新規客として購入するまでの育成の流れも理解しておくべきです。
>>小規模会社でも取り入れるべきリードナーチャリングとニーズ例ウォンツ例
>>見込み客を集客し顧客へ!必ず行うべきリードナーチャリングの計画の立て方
その他、2ステップマーケティングを成功させるためには、マーケティングをどのメディアで展開するかも重要です。
2ステップマーケティングで、見込み客から顧客へと招き入れ、LTVを向上させる。
売上、利益を安定して獲得するために検討すべきマーケティング施策の1つです。