現役マーケターが教えるステップメールの作り方!参考シナリオ事例付き

投稿日:2021年7月29日 | 最終更新日:2022年9月18日

ランディングページやホームページで獲得した見込み客から新規客、顧客へと育成するリードナーチャリングはじめ、一度購入した新規客へ再び購入してもらうなど、メールを用いて行うマーケティングの自動化には欠かせないステップメール。

ステップメールは事前に準備はいるものの、一度ベースを作成してしまえば、後は状況に応じてPDCAサイクルを回すだけ。

自らマーケティングを行う経営者や他の業務を兼任しているマーケティング担当者にとって非常に効率化を図ることができる仕組みです。

今回は、現在様々なビジネスにてマーケティングを行っている私がステップメールを作り方を事例を交えながら解説していきます。

顧客リストを獲得していながらもうまく活用できていない方、メルマガスタンドを利用しているものの、ステップメールを取り入れていない方は是非参考にしてください。

目次

ステップメールとメルマガの違い

まず初めに、ステップメールとメルマガの違いを明確にすることから始めましょう。

意外とステップメールとメルマガの違いをしっかりと理解していない方が多いようです。

混同しているとマーケティングの意図がズレてしまう原因となります。

マーケティング力に自信がない方、ノウハウだけを集めてうまく自社に取り入れることができていない方はこれを機会にしっかり学んでください。

メルマガは新着リリースや入荷情報、セールの告知、日々配信しているコンテンツの紹介などあくまでも企業側が主となり、自社のタイミングにて配信します。

一方、ステップメールは資料請求やお試しサンプルの申し込み、商品の購入などユーザーが何らかのアクションを起こした場合を起点とし、特定の期間、あらかじめ設定した配信タイミングで1通めを配信し、最終配信までが一貫したシナリオとなっています。

メルマガの様にエンドレスに配信するのではなく、ステップメールは1つのシナリオを複数回に分けて配信し、最後にユーザーにアクションを起こしてもらうことを目的としています。

また、ステップメールは一般的なメルマガと違い、ユーザーが主となります。

ステップメールのシナリオを作る

さて、メルマガとステップメールの違いを理解したところで、早速ステップメールの準備に取り掛かりましょう。

まずは何のためにステップメールを配信するのか「目的」、ステップメールを最終配信まで行いユーザーにどんなアクションを起こしてもらうことで成功とする「目標」を定めていきます。

ステップメールの目的と目標の設定

ステップメールの目的や目標は企業それぞれ異なると思いますので、いくつか例を挙げてみましょう。

建設会社や工務店

施工事例集などの資料やホワイトペーパーをホームページ、ランディングページにて配布、獲得した見込み客リストに対して自社のこだわりや他社との違い、選ばれる理由、実際に自社を利用したお客様の事例などサービスの価値を高めるコンテンツを配信し、最後に完成見学会への出席や無料見積もりの申し込みを行ってもらう

食品メーカー

ECサイトやランディングページで商品を販売、購入した顧客リストに対して、その商品を使ったアレンジレシピや商品の開発秘話、他の購入者の感想など購入した商品を定期的に購入してもらうためのコンテンツを配信し、最終的には定期便やまとめ買い(アップセル)、その他の商品を購入してもらう(クロスセル)

ボディメイクスタジオ

お試し体験の参加をランディングページやホームページにて募り、その参加者に対して、会員の体験談やビフォーアフター、ダイエットやボディメイクの成功例失敗例、他社との違いなどのコンテンツを配信し、最終的には会員として入会してもらう

など。

ステップメールの目的や目標は様々であっても、自社の魅力を理解してもらい最終的には自社サービスを購入してもらうことに繋げます。

今回の事例は終点を自社サービスの購入としていますが、必ずしも終点がセールスにしなければいけない訳ではありません。

各々で定めた目標に着地させることがステップメールの役割ですので、目的、目標によって臨機応変に対応してください。

ステップメールのシナリオを作るコツ

まず、決してやってはいけない悪いシナリオとして「どの配信でも最後にセールスをしてしまう」ことです。

自社のサービスを購入して欲しい気持ちは充分わかりますが、その様な内容はシナリオではなくセールスメールです。

繰り返すことでユーザーの離脱率を高め、自社への信頼や評価は大きく下がるといった逆効果を生んでしまいます。

正しいシナリオはステップメールを読み進めることで、自社や自社サービスへの信頼関係を構築し、信頼や利用する価値が高まった購買心理段階で最後にセールスを展開します。

終点がセールスでない場合でも、考え方は同じです。

時間をかけて徐々に自社との信頼関係を築くことを忘れないようにしてください。

ステップメールのシナリオ例

続いて、シナリオ例を紹介しますので、ステップメールのシナリオ作りの参考にしてください。

①1通目:登録のお礼

メルマガスタンドやLINEの友だち登録後(LINEステップ配信を利用する場合)、最初に送るステップメールの内容は「登録のお礼」です。

例えワンクリックや名前とアドレスなどコンタクトフォームでの入力という多少なりともユーザー側にも手間が生じています。

このことに対して1通目にそのお礼をしましょう。

また、弊社やその担当が何者なのか(自己紹介)、そしてこれからどんなテーマでメールを配信するのか、ユーザーの興味心を膨らますような内容を一緒に配信します。

②2通目:1通目の再確認

ステップメール2通目は「1通目の再確認」を行います。

再確認することであなたからのメールを読んでもらうことを癖付けていきます。

また、ユーザーが抱える問題の炙り出し、そしてこれから配信する内容を読むことでの未来を表示します。

③3通目~6通目:信頼関係の構築

ステップメール3通目から6通目は「信頼関係の構築」を行います。

ここでは、事前に用意したコンテンツを用いていきます。

3通目から6通目の期間に、徐々に詳しく解説やメソッドを提供しても良いですし、それそれの配信毎に完結するものでも構いません。

ユーザーに有益となるコンテンツの提供と同時に複数回の接触を試みることで、信頼関係を作ることが目的です。

④7通目:セールス(1回目)

ステップメールのシナリオ7通目にして、初めて「セールスに関わる内容」を配信していきます。

いきなり「〇〇です、いかがですか?」といったこれまでの信頼関係を崩してしまうような低レベルなセールスは一切行わないこと。

直接セールスをするというよりは今後の配信でセールスするために価値を高めるのがこの配信での目的です。

そこで、7通目ではステップメールでの目標(終点)として定めた内容についてのストーリーを紹介します。

ストーリーの役割はユーザーを更に自社の内側へ惹き込むために行います。

仮に、設定した内容がある商品やサービス、お試しセットやホワイトペーパー、資料であれば、それらが完成するまでの内容をストーリー仕立てで展開していきます。

目標はそれぞれ設定したと思いますので、ストーリーとして書く内容は様々です。

このストーリーの展開は長くなる場合もありますので、複数の配信に分ける等工夫しても構いませんが、複数に分ける場合は中途半端なところで区切らないようにしましょう。

区切る場合はステップメールの配信日程を通常よりタイトにすることもポイントです。

最後にシンプルなアクションリンクで締めくくります。

その他、3通目から6通目の信頼構築のコンテンツをややタイトに仕上げ、ストーリーの配信を多めにとるのも1つの手段です。

ストーリーに関してはステップメールに限らず、ランディングページ、ホームページなど様々なメディアでも応用できますので、これを機に書けるようにしておきましょう。

別記事にて「人をグッと惹き込むためのストーリーの作り方」を紹介しますので、合わせてご参考ください。

⑤8通目:セールス(2回目)

ステップメール8通目では、あなたが目標として定めた内容(商品やサービスなど)を具体的に紹介していきます。

前配信のストーリーで多く語った場合は、ここでは簡潔にして魅力を際立たせましょう。

ここでは更に、実際に利用したお客さまの声(複数)を紹介し、購入や体験など目標として定めているアクションを起こすハードルを下げると共に、ユーザー自身がアクションを起こす正当性を高めていきます。

同時に自社への信頼関係を再度高める配信でもあります。

そして最後にクロージングを行います。

商品の購入やサービスの申し込みなどそれぞれこのステップメールで定めた目標に応じたアクションを促しましょう。

※ステップメール用にフォームを作成した方がコンバージョンも高くなる傾向があります。

Googleアナリティクスや使用している配信ツールでクリック計測を行うことをお忘れなく。

⑥9通目:セールスの補足

ステップメール9通目では、セールスする商品やサービスの補足を行う内容を配信していきます。

例えば、ある商品を購入してもらうことを本ステップメールの目標として定めたとします。

商品を手に入れないことでのデメリット

まずは、ユーザーがもしこのまま商品を購入しない場合に起こりうる状況を明確に提示し、手にしないことでのデメリットを示していきます。

商品を手に入れることでのメリット

次に、ユーザーがもしこのステップメールを機に商品を購入した場合、この先の未来でどんなことが待っているか、そして手にしたことでのメリットを示していきます。

注意点とし、商品のメリット示す際、ただメリットを並べるのではなく、ベネフィットに変換して示さなければならないことです。

購入する、しないで今後どうなるかをユーザーがわかりやすくイメージできるようにすることが大切です。

⑦10通目:最後のクロージング

10通で構成するこのステップメールの最終配信では「最後のクロージング」を行います。

ここでのポイントは「これを逃すと手に入れることができないかもしれない」とユーザーに感じてもらうことです。
限定性、緊急性を加えたセールスコピー、特典、期限などをうまく使ってユーザーがアクションを起こすよう促しましょう。

最後にコンバージョンリンクで締めたらこのステップメールのシナリオは終わりです。

シナリオで徐々にニーズとウォンツを高めるステップメール

ステップメールの魅力は、ただ自動化できるだけではなく、ユーザーがシナリオを追っていくうちに自然と商品やサービスへのニーズ、ウォンツが高まってくることです。

下手なメルマガで毎回「どうですか?どうですか?」とセールスをして信頼関係を崩してしまうよりも、こうして複数の配信を経て、ユーザーから欲しいと感じてもらい、アクションを起こしてもらうステップメールの方が、現在社会の複雑化した購買心理には対応しやいと思います。

今回は簡単な例を挙げて解説しましたが、あなたの目的や目標に応じて、シナリオ例を参考に、置き換えるだけです。

あとはテストを繰り返し、反応に応じて改善していきます。

こうしてできたステップメールとそのシナリオは、まさに自動化したマーケティングの1つとしてあなたのビジネスの武器となるでしょう。

一度に配信することに抵抗がある方は、お持ちのリストの一部を用いてテストしても良いですよ。

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