LTV(顧客生涯価値)とは?知っておくべき計算方法と最大化させるための対策

LTVとは

売上・収益を伸ばして繁盛するには、やはり新規客の人数と売上を増やすよりも、顧客の人数、売上を増やすことが大切です。

顧客の人数を増やすことは単に安定した売上の確保だけでなく、客単価の向上、口コミや評判による間接的な集客など経営していくうえで非常に重要なメリットに繋がります。

今回は、顧客に関する指標であるLTVについて、基礎知識から算出方法などを解説していきます。

目次

LTV(顧客生涯価値)とは

まず、LTV(顧客生涯価値)とは何かを理解していきましょう。

LTVとはLIFE TIME VALUE(ライフタイムバリュー)の略で、日本語では顧客生涯価値のことを指します。

言い換えれば、顧客が最初に商品またはサービスを購入し続けるうえでの総金額を指します。

途中で他社商品の購入や何らかの理由で購入自体をやめてしまうまでの金額です。

現在では様々なマーケティングを活用して新規客の獲得を行いますが、年々その獲得コストは上昇している状況です。

また、情報過多である現代社会において、見込み客自体も企業からの様々なアプローチに慣れているため、新規客の獲得コストは顧客維持コストよりも非常に高く、5倍のコストがかかるとも言われています。

今回解説するLTVは、ある1人の顧客の最初の購入から離脱するまでの期間にどれだけ利益をもたらしたかを算出した経営における重要な指標です。

このLTVを意識することにより、既存顧客の維持、拡大の判断指標として活用することができます。

LTVの算出の仕方

LTVの算出

LTV=平均購入金額×購入頻度(購入回数)×継続購入期間

で算出することができます。

例えば、1点3,000円のある商品を毎月定期購入、年間の顧客離脱率が25%とした場合

  • 平均購入金額=3,000円
  • 購入回数=12回(毎月定期購入と仮定したため)
  • 継続購入期間=1÷0.25=4年

LTV=3000×12×4=144,000円

つまりこの場合は、1人の顧客あたり年間144,000円の売上を見込めることを指します。

但し、この計算式は純粋に売上で算出しているため、顧客1人を獲得する経費については関係していません。

もし、広告などで顧客1人を獲得するコストが3,000円、顧客維持のために行っているマーケティングのコストが2,000円かかっているとしたら、算出したLTVからこれらを差し引くことで純粋なLTVがわかります。

LTV=平均購入金額×購入頻度(購入回数)×継続購入期間-(顧客獲得コスト+顧客維持コスト)

売上を伸ばすためにLTVを最大化

LTVの算出により、顧客1人を獲得することでもたらされる利益の目安が表面化できます。

売上を伸ばし、多くの利益を獲得するにはこのLTVを最大化させるという課題に対して、様々な施策を考慮しなければなりません。

LTV=平均購入金額×購入頻度(購入回数)×継続購入期間-(顧客獲得コスト+顧客維持コスト)

いかに平均購入金額と購入頻度、継続購入期間を増やす施策を取り入れると同時に、顧客獲得コストと維持コストを減らず施策を取り入れなければいけません。

それでは、それぞれの数値を最適化するためには、どのようなことを行うべきでしょうか。

LTVの最大化対策①平均購入金額を増やす

平均購入金額を増やす、つまり客単価を増やすことでその平均となる購入金額を増やすことに繋がります。

客単価を増やすために以下のことを意識しましょう。

  1. 1度の購入点数を増やす
  2. 一度の購入金額を増やす
  3. まとめて購入する仕組みを作る

1度の購入点数を増やす「クロスセル」

クロスセルとは、主商品の他に別の商品を併せて購入してもらうことを指します。

複数の商品を購入して貰うことで、客単価の向上を目指します。

  • 例)自動車販売であれば、車の購入に加えてドライブレコーダーなど購入する自動車に関連する商品を提案し、購入を促す
  • 例)アパレルであれば、トップスと一緒にアウターやボトムスなどコーディネートするアイテムを一緒に提案し、購入を促す
  • 例)ECサイトで注文完了前に、関連商品を表示し、購入を促す

1度の購入金額を増やす「アップセル」

アップセルとは、より高いものを購入してもらうことを指します。

より高単価な商品を購入してもらうことで客単価の向上を目指します。

  • 例)買い替え時に以前よりグレードの高い商品を提案し、購入を促す
  • 例)+αの金額でサポート期間の延長
  • 例)クレジットカードのランクや会員ランクによるロイヤリティ向上

まとめて購入する仕組み「パッケージ」

アップセルの1種にもなりますが、商品をパッケージ化することで客単価の向上を目指すことも可能です。

  • 例)7点分を5.5点分の料金にする
  • 例)月一回半年分の料金を4回分の料金で販売する

LTVの最大化対策②平均購入頻度を高める

平均購入頻度を高めるための努力もLTVを最大化させるためには必要なことです。

同じ平均購入金額、同じ継続購入期間であったとしても、購入頻度を増やすことでLTVが増えることに繋がります。

3,000円×12回×4年=144,000円 →     3,000円×15回×4年=180,000円

もし、あなたが店舗ビジネスであった場合、購入頻度増やすには、来店頻度を高めることから始めなければいけません。

では購入頻度、それに繋がる来店頻度を高めるにはどんな施策を行っていくべきでしょうか。

イベントを開催する

来店頻度を高めるために、イベントを開催することも1つの施策と言えるでしょう。イベントと言えど、企画さえすれば様々なイベントを開催することができます。

関連記事>>参考にしたい飲食店のイベント集客事例

例えば飲食店では

  1. 「取り扱っている商品に関するイベント」
  2. 「はしご酒のような複数店舗を巻き込んでのイベント」
  3. 「他業種とジョイントしたイベント」

など、店内で開催するイベントがあります。

関連記事でも解説したように、プランニング、イベントの集客方法など開催するうえでのイベント目的や目標、その後の展開を検討して行うことが大切です。

イベントの開催は単純に来店頻度を高めるだけでなく、短期間での売上向上の施策として、ブランディングやUXとしての役割も果たしますので相乗効果が期待できます。

SNSを用いて来店頻度を高める

InstagramやFacebookページ、TwitterなどいくつかのSNSがありますが、いずれも配信するコンテンツで「魅せる(魅了する)」ことも来店頻度を高める施策の1つとして活用できます。

また、SNSマーケティングは広告コストを抑えることに繋がりますので、結果的にLTVを上げることにも貢献します。

例に挙げたイベントやSNSなど「来店するきっかけ」をいかに多く作れるかがキーポイントと言えるでしょう。

その他、対策①でも挙げたクロスセル、アップセル、パッケージやそれぞれの組み合わせ次第では、購入金額、来店頻度の両方を引き上げることにも繋がります。

LTVの最大化対策③継続購入期間を延ばす

継続購入期間を延ばす、これもLTVを増やすためには非常に重要です。

一度購入した顧客がいかに長い間購入し続ける期間を長くすることに努めなければいけません。

  1. 継続して購入する仕組み
  2. 顧客の維持するためのCSを高める
  3. 顧客の離脱原因の把握と離脱数の減少

に努めなければいけません。

定期購入やサブスクリプション

観点を変えれば、1度きりの購入を減らすことも対策として考えられます。

定期的に必ず購入する仕組みである「定期購入」や月額定額制(定額課金制)であるサブスクリプションの導入もこれにあたります。

CS(顧客満足度)を高める

決して企業本位になることなく、顧客本位(必要な時に、必要なだけ、必要な情報)を提供し、顧客との継続的な関係を構築することも重要です。

CS(顧客満足度)を高めるためには、実際の顧客にアンケートやヒアリングを用いての現状を把握することも1つの対策として挙げらえます。

直接かかわりを持っていないとしても、インターネットで検索し、顧客と同属性の声を知ることもCSを高めるための情報収集として有効的です。

また、顧客の潜在ニーズを深く知り、解決方法として提案することもCSの向上にも繋がります。

CSを向上させることで、あなたの商品を絶えず購入し、結果的にLTVの向上につなげることができます。

顧客の離脱原因把握と離脱数の減少

顧客がなぜ離脱しているか、原因を追究したことがあるでしょうか。

あなた自身やあなたの商品をご贔屓頂いている顧客も何らかの理由で離脱し続けています。

顧客の離脱には大きく3つに分けられます。

  1. 一時的な離脱
  2. 不満や興味の減少による離脱
  3. 顧客自身の状況の変化による離脱

 

これらのうち、「一時的な離脱」の多くは、単にあなたや商品の存在を忘れているというような、顧客との接触回数の少なさが原因として挙げられます。

「不満や興味の減少による離脱」は前回までの来店や購入時に何らかの理由で不満、不便に感じるといったネガティブなことによりこれまで抱いていた興味の減少が原因の1つとして挙げることができます。

「自身の状況の変化による離脱」では、数回の購入で満足し、それ以上購入することでのベネフィットを感じることができなくなった、生活環境の変化で来店や購入が困難になったことが原因として挙げられます。

これら大きく3つの原因に対して、どう対処するかがポイントです。

顧客の離脱0にすることは不可能ですが、少しでも抑えることができれば、自ずとLTVの向上に繋げることができます。

特に「一時的な離脱」をいち早く解消し、1人でも簡単な理由で離脱してしまう顧客の数を減らしましょう。

LTVの最大化対策④顧客獲得コストと顧客維持コストを減らす

コストダウン

LTVを最大化させるために「増やすべき点は増やすと同時に減らせる点は減らす」これが鉄則です。

顧客獲得コストや顧客維持コストに関しては、現在行っているマーケティングがどのようなものかによります。

顧客獲得に多くのコストがかかるものとして広告費が挙げられます。「単純に広告費を削減する」というわけではなく、最適化することを意味します。

  • ランディングページのLPO対策(EFO対策も含む)
  • 広告の入札価格の最適化

これらを見直し、顧客獲得時にかかるコストを少しでも削減します。

長年同じランディングページを利用している方も、新たなページを作成し、一定期間テストすることもコスト見直しのポイントです。

また、顧客を維持すためにかかる費用の詳細も明確にしておきましょう。その際、利用しているシステムの見直し、プランの見直し、人的コストの見直しを図ることで維持コストの削減が可能な場合もよくあります。

長年同じものを利用している、同じことをしている方は、再確認して無駄なコストが発生していないか注意し、最適化することで、LTVの最大化に繋がります。

LTVに注目することで売上向上の課題が発見できる

LTVを最大化するために「現在行っているマーケティングの見直し」「これから何を行うべきか検討する」きっかけができたのではないでしょうか。

LTVとは何か、そして算出方法を理解することで、これまで曖昧になっていたことが表面化するメリットが生じます。

この記事を読んだ機会に、是非あなたが展開するビジネスのLTVを算出、把握して今後のマーケティングに活かしてもらえたら幸いです。

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