前記事「商品が売れない理由・原因を分析して改善するには?改善方法を解説」では、主にマーケティング目線での原因追及と改善方法を解説しましたが、読んで頂けましたでしょうか?
今回は「セールス」目線で商品を売るために必要な接客力、販売力を高める方法を現役セールスコピーライターである僕が解説していきます。
目次
この記事における販売員の定義
まずは、この記事における販売員とは何を指しているかを定義します。
この記事で指している販売員とは例えあなたが美容師やネイリスト、セラピスト、施術者、自動車販売、様々なサービスの営業マン、居酒屋のホールスタッフに至るまで「セールスをする全ての人」とします。
商品の内容や形状が変われど、接客してお客様に商品を購入していただくまでの接客の本質は変わりません。
この記事での「売る」は決して売りつけるのではなく「お客様に心地良く購入し、再度購入しようと感じてもらう」とします。
また、自信の販売力を用いてより多くの商品を売り、売上に貢献するとします。
このことを踏まえ、接客・販売力を上げて売上を伸ばすためには何が必要で、どんな行動を起こすべきかを理解していきましょう。
ちなみに僕自身、過去に10数年の販売員のキャリアがあります。また、時にクライアントの社員の接客力向上のためのセミナーやコンサルティング、実践もする場合もあります。(※通常の繁盛マーケティングのサービスには含まれていません)
残念!これが売れない販売員の5つの特徴
まずはこれだから売れない販売員の特徴を挙げてみましょう。※コンサル時、これらに該当してしまう販売員は僕からコテンパンに指導されます。
①セールストークがマニュアル的で個人の色がない
大まかなセールストークのベースを定めている企業や店がありますが、これに固執し過ぎている販売員は売れません。
私たちはA.Iではありません、人間です。人間味の無いマニュアル化したセールストークは相手に伝わりにくいどころか、かえってセールス色を強めてしまう場合があります。
企業や店が定めたセールスのポイントに加えて「自分をいかに出せるか」。このポイントを押さえて接客できない販売員も売れない特徴です。
つまりGoogleで「接客トーク」関連のキーワードでノウハウを調べている時点で、すでにあなたは売れない販売員です。
②臨機応変に行動できる対応力が乏しい
続いてはこれも外せないでしょう。臨機応変に行動できない「マニュアル」通りしか対応できない販売員も売れないケースが非常に多いです。
商品を売る相手も人間です。あなたが思い描いている通りの言動や行動、タイミングとは限りません。
これらに対応し、適切に接客からセールス、クロージングまで行えない結果、売れない販売員となってしまいます。
③相手(お客様)の立場からの商品を理解できていない
売れない販売員の特徴の1つに売る側目線、視線での行動ばかり起こしてしまうことがあります。
- 例)聞いてもないのにダラダラと商品の説明をする
- 的外れなことを頻発する
お客様は何を望んでいるのか、悩んでいるのか、どうなりたいのかなどをしっかりとくみ取り、提案する力が乏しい傾向にあります。
これまでに挙げた対応力や個性の無さにも付随する行動です。
④売ることに集中し過ぎている
販売員の中で「私の仕事は商品を売ること」と思い、行動を起こす方。これも売れない販売員の特徴です。
確かに商品を販売し、売上を伸ばすことは大切ですが、あなたが所属している企業や店の目標はもっと奥にあるはずです。
- またあの商品を買おう、利用しよう、食べようなどと思って頂ける接客
ができているか否かで売れる販売員と売れない販売員に差が出てきます。売れる販売員が多い企業や店は自ずと客単価、リピート率が高くなり、業績も伸びていくのは言うまでもありません。
⑤現場でのセールスと会社のマーケティングとの繋がりを理解していない
最後は「セールスとマーケティングとの繋がり」を意識、理解していない販売員は売れません。④に付随した特徴です。
経営者やマーケティング部、担当が試行錯誤を繰り返し、販売員の目の前に連れてきた大切で貴重なお客様に対し、マーティングとのつながりの理解に乏しい販売員も売れない販売員の特徴です。
マーケティングの役割は「販売員のセールスを楽にする行動」でもあり、「商品に興味がある、欲しい段階の客層を集め販売員の前にまで連れてくる行動」でもあります。
それに対して、④でも挙げたようにただ売るだけの意識をもった販売員は売上に悩む傾向が強く出ています。
売上を上げるために必要な販売・接客力と売れる販売員の5つの特徴
簡単に言えばこれまでに挙げた売れない販売員の5つの特徴とは逆の特徴を持つことです。更に具体的に解説していきましょう。
①的確に商品の魅力を自分の言葉で伝えることができる
売れる販売員になるには「的確に商品の魅力を自分の言葉で伝える」ことができるようになることです。
また、対面で直接お客様に販売する際、自分と言う人間性、適切な話し方、声のトーン、空気感などお客様が快適に商品を購入できる環境をあらゆる面で演出できることが大切です。
②臨機応変・柔軟な対応力
不規則に行動し、時には突拍子もない行動に出るお客様に対し、どんな時も必ず最後はセールスにたどり着けることができる対応力が必要です。
「今はこうすべき」「このタイミングでのセールスは控える」などお客様の性格や感情を見極め、的確な状況判断ができることが大切です。
③客観視した商品のセールストークが展開できる
あなたが、数時間、数日かけて受けてきた研修で培われた商品知識や魅力の数々。
「良さを伝えたい」、「わかってもらいたい」気持ちは充分わかりますが、考える、物事を見る角度、方向を変えて商品の魅力やウリを理解し、お客様が利用した際のシチュエーションをイメージさせることができるような客観視したセールストークの展開が大切です。
また、接客時にトーク内でお客様の情報を数多く収集し、その後のセールストークに反映できるスキルを持っているのも売る販売員の特徴として挙げられます。
④売る販売は商品を売らない
セールスが特に上手な販売員程、セールスとはかけ離れたようなトークをよくするものです。
また、そのかけ離れたように感じるトーク内容から商品に結びつけることができるスキルも持っています。
売る販売員は体験、購入後の体験イメージやベネフィット、商品の魅力、自分自身の個性をトーク内に巧みに織り交ぜながらセールスを展開します。
家電量販店の販売員や人気のある(美容院の)スタイリスト、店長クラスのアパレル販売員などのセールストークの展開を参考にしても良いでしょう。
⑤マーケティングからセールスまでの全体像を意識した接客が展開できる
売れる販売員の中でも、数字を意識することができる販売員はダントツで企業や店の売上に貢献してくれます。
マーケティングがいかに労力を費やしているかを理解できている販売員はセールスたけに止まらず、接点である「マーケティングとセールスの繋がり」をしっかし意識し、時にシームレスな考え方を持ち、行動に移します。
直接現場でお客様と接触しているからこそ得ることができる情報をフィードバックし、マーケティングに活かすための行動を起こすことができます。
また、現場でのお客様の反応を直接見ることができるため、商品やセールス自体のPDCAの材料としても提供できる能力にも長けています。
売れる販売員は必要不可欠
売れない販売員、売れる販売員のそれぞれ5つの特徴は理解できましたか?
今回は直接お客様と接する店頭での販売員について解説しましたが、我々セールスコピーライターの場合は、オンラインなどの各媒体上で行わなければいけません。
フィールドは違えど「モノを売る」プロセスやスキル(現場でなければライティングスキル)、ターゲットの思考の先回りや解決策の提示、最後のクロージングまでの本質は近いものが多くあります。
「行動」「言動」といった体と言葉を巧みに使い、商品を売るためにはオフライン、オンライン上のいずれでも必要不可欠、それが売れる販売員の存在意義です。